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萬佳(WANCHER)さんのドリーム・ペンこそがまさにほんたうの「夢の🖋」だった御話ー「最後の筆記具蒐集」としての第壱話ー

萬佳(WANCHER)さんのドリーム・ペンこそがまさにほんたうの「夢の🖋」だった御話ー「最後の筆記具蒐集」としての第壱話ー

 

 

 

 

さて私は6月17日より筆記具の集中的な蒐集を再開した。

其れをするのはほぼ五年振りだったやうに思う。

 

何故其れをしたのかと言えばずっと寝かせてあった限定🖋を売ることで資金を得其れにて当初は海外ブランドのペンを購入しやうとして居たのである。

例えば「LOTUSブランド」のペンを狙って居た訳である。Products (lotuspens.com)

 

其れは印度万年筆なのだが個性が強くあり其れ其れに非常に魅力的なペンとなる。

また其の値段は印度製の🖋としては高価な部類である。

 

其れでも2、3万で買えるのはペン先が金ペン先では無くステンレス合金製となるからなのだ。

 

 

いずれにせよ兎に角「LOTUS」の蒐集をする予定だったが結果的に其の目論見はまるで外れ最終的には古い🗾の其れもインク止め式のタイプの萬年筆を得て行くこととなる。

「LOTUS」もまた現代のペンとすれば最もdeepな領域での万年筆の蒐集となるが🗾の其れもインク止め式のタイプの萬年筆の蒐集は實に其れ以上にdeepな世界での蒐集上の闘いであることが正直多かった。

 

故に自分はまさに其処にて疲労困憊したのである。

勿論ヤフオクにて金額が上がるのがまずは心臓に惡くしかも取った!と思った御品のオークションの壱分前に応札して來る根性の惡い人などが世の中にはまた居るものなのだ。

 

ちなみに私はきっかり6分前に応札し5分を切るとほぼ応札はしない。

5分を切り応札すれば時間が延長されまた10分になって仕舞うが故に其れを何度もすれば20分も30分も時間が延長されて仕舞う。

 

故に長丁場の闘いとなり其れだけでも疲労感が大きく残ることとなる。

 

ところが無論のことどうしても欲しい🖋の場合はどうであれ何でもやり切る。

其れもオークションの場合は次点では意味が無く欲しい🖋の場合は限界以上の金額を入れて仕舞う場合などもまた多い。ーとりあえずさうして限度額は勿論毎回設定するのだがー

 

だが今回は「やり切る」とのことだったので兎に角やってみた。

ですが「価値の無い筆記具」に手を出す余裕などは何処にも無い。

 

兎に角資金を使い終われば其れでもって此の自分に取って最後となるかもしれない集中的なペンの蒐集は終わりを遂げる。

 

 

さて其のペンの蒐集を再開した初日に自分は萬佳(WANCHER)さんのエボナイト軸の夢万年筆ードリーム・ペンーをヤフオクにて落札した。

其のドリーム・ペンは萬佳さんが開発した大型の🖊となる。

 

では何故其れは大型なのか?

其れを蒔絵万年筆化せんが為に大型なのであらう。

 

また其の蒔絵万年筆は主に海外市場にて売られて居り其の価格は拾萬、弐拾萬もする高額なものが多い。

 

【楽天市場】万年筆 > 夢万年筆 > ドリーム・誠漆:WANCHER official shop (rakuten.co.jp)

 

勿論🗾市場でもまた其れ等は売られるがいずれにせよ其れが高額なものとなることは否めない。

故に其れは常にエンゲル係数が高くある筆記詩人が狙うところのものではまさか無い。

 

さてさうして萬佳さんは主に海外市場にて勝負して居りつまりは其処での売り上げ額が八割程もある訳です。

故にか社員はほぼ英語の出來る外国人のスタッフばかりとなる。

 

尤も其の英語ばかりでは無く日本語での會話が出來るスタッフなどもまた居るやうではありますが。

 

 

『ガイアの夜明け』令和の“開国”に迫る 外国人労働者と日本企業の新たな取り組みを取材 | ORICON NEWS

【株式会社ワンチャー】7/21(金)放送予定 テレビ東京系列「ガイアの夜明け」にて取り上げられます!番組内に登場する金箔蒔絵万年筆をご紹介:時事ドットコム (jiji.com)

【株式会社ワンチャー】7/21(金)放送予定 テレビ東京系列「ガイアの夜明け」にて取り上げられます!番組内に登場する金箔蒔絵万年筆をご紹介|【西日本新聞me】 (nishinippon.co.jp)

 

さて昨日の夜たまたま母から教えられ其の萬佳さんの🖋ビジネスの部分が「ガイアの夜明け」に登場することを知り早速其れを視てみた。

結局WANCHERさんはさうして外國人労働者を雇うことで海外へと販路を拡げとりあえずは成功を収めたのである。

 

其れはさうだ、何故なら此処🗾國に於いてそんな高価な蒔絵万年筆が多く売れることなどは現在極めて考えにくい。

今日本人は政策の上での規制緩和ー合理化の波ーに雁字搦めとされとどのつまりは30年前よりもむしろずっと貧乏となって居る。

 

だったらもはや市場を海外へ持ち込む他は無い。

 

 

ちなみに自分は20年程前に屡萬佳の代表の岡垣氏とメールにて筆記具談義をして居たものだった。

其の折に「海外にて高額な蒔絵万年筆を売る」ことこそがビジネス・チャンスであると確かさう述べて置いた筈だった。

 

だからと言って其の助言が現在のWANCHERさんをつくったと迄は言い切れぬことだらう。

だが其の頃自分は丸榮百貨店の筆記具売り場のNAKURAさんにも其のことを奨めて居たものだった。

 

ですがやがて丸榮百貨店の閉店が決まり何時頃だったのかすでに2010年辺りでタテ株式會社は筆記具売り場を撤退して居たのではなかったか。丸栄 - Wikipedia

わたくしもすでに其の頃には百貨店の筆記具売り場には出入りして居らずたまに行くのが当時丸榮百貨店内に間借りをする形で入って居た名古屋丸善の筆記具売り場のみだった。

 

尤も其の後タテ株式會社は「ウェブショップタテ」なるネット店舗を立ち上げ其処が弐割引きでの筆記具の販売にて結構賑わって居たが其の後はどうなったものか分からずしかも現在はすでにやって居ない感じである。

 

確か2005~2010年頃にパイロットの大型蒔絵の🖋を栃木のSUGIYAMAさんー「図書談話室で御一緒させて頂いた文學の研究者の方」ーに購入を頼まれ其れでもって自分の分と共に四割引にて其処より其れを購入したのが最後のことであったやうに思う。

すでに其の頃自分は限定万年筆への興味を失いつつありよってヤフオクでも屡高額な限定万年筆を整理して居たものだった。

 

また其の資金でもって「世界オークション」の方へと乗り込んで行った訳だ。

但しかってのやうに伊太利亜や独逸の限定万年筆を得る為にでは無くつまりは古いペンー其れも主に戦前の🖋ーをさうして世界中から蒐集して居たのである。

 

尚現在NAKURAさんがeBayにて高額な現行の蒔絵万年筆を売って居ないと云う保証は何処にも無い。

むしろばりばりに売りしこたまに儲けて居たりする可能性が20パーセント程はある。

 

だが其のNAKURA氏もおそらく八拾歳以上だらうからすでに引退された可能性などもまた高くあらう。

 

 

(中古)SAILOR セーラー 万年筆 ウェブショップタテオリジナル プロフェッショナルギア 赤軸万年筆 紅 中字(商品ID:3717014693117)詳細ページ | 万年筆 ボールペンなど高級筆記具の販売・買取|キングダムノート (kingdomnote.com)

 

こんなもの迄もがかうして出るところには出されて居る。

 

其のタテ株式會社でつまりは丸榮百貨店の筆記具売り場で屡🖋を買ったのは90年代の終わり頃より21世紀初頭のことだった。

定価で35万位だったかの限定万年筆ーモンテグラッパ アフロディーテーを買ったことさえあった。

 

また其れもつまりは4割引きとなるのです、何せ自分が御得意様なので。

つまりは金額が高いもの程其の値引き額がデカくもなるのです。

 

また当時此処は東海地方の🖋コレクターの溜まり場のやうにもまたなって居た。

其の🖋コレクターの會合へも弐度程参加して居る。

 

其れもちゃんとした料理の出て來るおそらく料理屋のやうなところだったのだらう。

其のメンバーは其れこそAICHI大学の教授であるとかまた飲食店の経営者であるとか結局は自分などよりも明らかに金持ちの人が多かったやうに覚えて居る。

 

今思うと相当にバカバカしいことをして居たと思いますが其れも所詮はそんな人間関係のことなのであり筆記具コレクターとは結構其の人間関係の範囲が狭くてしかも濃密にあるものなのだ。

 

其れ即ち万年筆の蒐集とはほぼ半分位が其の「人間関係」によるものなのであり壱面では其れがまた煩わしいものでもある。

 

 

さてこちらが今年の6月に求めた萬佳さんの夢🖋だ。

 

WANCHERワンチャー クリップ付モデル ドリームペン 夢万年筆 誠エボナイト シルクブラックGT-1

WANCHERワンチャー クリップ付モデル ドリームペン 夢万年筆 誠エボナイト シルクブラックGT-2

WANCHERワンチャー クリップ付モデル ドリームペン 夢万年筆 誠エボナイト シルクブラックGT-3



此の御品は黑エボナイト軸ー誠エボナイト製ーで大型の🖋となる。

エボナイト軸のドリーム・ペンが是非欲しいと壱年程さう思って居たところ丁度蒐集のタイミングと合い其れがオークションに出されて居た。

 

其のヤフオクでのドリーム・ペンはアウトレット物がほとんどでありよって壱万円台で手に入ることが多くなる。

どうせ使う為のペンなのであれば見た目などはほぼ関係が無くつまりは多少漆が剥げて居やうがムラがあらうがまるで関係無いのだと言える。

 

どうも人間はかうした意味での「割り切り」が出来ぬ人の方が多いやうな気がしてならない。

だがわたくしはむしろ其処を徹底して居るのでどうであらうがペンは安い方が良く何故なら安くないと手が出せないからなのだ。

 

また我は生命の「外見」には余り捉われない。

だから家の中でパンツ壱丁で屁をコクのが無上の自由の満喫としての時間となる。

 

結局其のことは事の本質のみを常に見極めて生きる人間だからなのだ。

尤も現代人は其のやうな価値観をすでに見失いがちなのだらう。

 

 

ドリーム・ペンの黑軸は思ったよりも重量がありつまりはエボナイトの軸が分厚く作られて居た。

書いてみるとまさに感激させられる良い書き心地を持って居る。

 

其れもステンレス・ペン先であると云うのに金ペン先への交換を必要としない特にインクの流れ方の良い個體である。

 

喜んだのも束の間で其のペンは自分に取り致命的な問題を抱えて居た。

即ちキャップが尻軸へと付かないのだ。

 

しかも何遍捻じ込んでも固定されない。

 

さてそも🖋には、

 

1.キャップを尻側に被せられるタイプ

2.キャップを尻側に被せられないタイプ

 

とのタイプの区別があり其のことを表記し売られることなどもまた多い。

 

ところが自分の場合には「長い軸の🖋の使い手」であり2.のタイプの万年筆にはホトホト困って仕舞うのである。

故に其のやうなペンの場合は勝手に改造し1.へと變えて仕舞うのだ。

 

尚欧米人の場合はキャップを尻側に被せない人の方がむしろ多いさうである。

だが筆文化に馴染みがある人などは其のことにむしろ我慢がならない。

 

左様に毛筆は例外無く其の竹の軸が長く拵えてある。

 

尚自分の場合はあくまでどんなに重くならうがまた長くならうが兎に角キャップを尻側に被せて使う。

其処でまずは、

 

3.尻軸の摩擦係数を増す為に紙鑢にてこすった

 

すると鏡面仕上げが部分的に壊され醜くなる。

では醜くなるのと使い易くなるのとでどちらを選ぶのか?

 

だから其れが自分に取り使い易くなれば良いだけの話である。

尤も使わないペンは逆に徹底的にオリジナルの状態を保存しにかかる。

 

要するに自分はさうしてペンに於いて弐元的思考を常にして居るのである。

 

 

4.兎に角頑丈な黑エボナイトの軸であり机から落としてもまた踏みつけるやうなことがあっても決して割れたりはしない

 

即ち自分が此れ迄に得たエボナイト軸のペンの中で最も頑丈なタイプである。

なので其れは常に使用するに足る何かをすでに持ち合わせて居る。

 

だが惜しいことにキャップが尻側に嵌まらない。

 

しかもさうして摩擦係数を高めてもまだキャップが尻に嵌まらない。

…やっちゃったか?

 

また要らんペンをよりにより買っちゃったのか?

 

だが其処にてよーく考えてみたところ壱年前に金色のドリーム・ペンをすでに入手して居りしかも其れもキャップが尻に嵌まらないー嵌まりにくいーので萬佳の箱の中に其の侭仕舞ってあったのだった。

 

【WANCHER】Dream Penドリームペン 夢万年筆 漆 会津塗 メタリック 梨子地 -1

【WANCHER】Dream Penドリームペン 夢万年筆 漆 会津塗 メタリック 梨子地 -2

【WANCHER】Dream Penドリームペン 夢万年筆 漆 会津塗 メタリック 梨子地 -3

 

其処に気付けば後はもうシメタものよ。

でもって早速黑エボナイトの胴軸の尻側に其の金のキャップを被せてみた。

 

…矢張りちゃんと付いた。

 

でもって若干収納状態でキャップの締りが惡くキャップが浮くが兎に角ちゃんと使えるやうになったのだった。

其れも此れも「完全」では無いが充分に使えるやうになったのだった。

 

故に6月以降其の金のキャップの黑エボナイトのドリーム・ペンを自分が使用するメインのペンとなし使うこととなった。

其れでもキャップは相当に押し込んで嵌めぬとまた取れ易いものと來てる。

 

だがそんなペンを使ううちに何かかう實存的な意味での愛着のやうなものがまた涌いて來る。

其れは丁度不細工な女房や出來の惡い子のやうなもので其の出來、不出來には関係の無いむしろ唯壱での實存的価値である。

 

即ち現象の価値とはまさにさうしたものなのだ。

其の能力の多寡や出來の良し惡しなどでは無くさうした意味での自分にとってのたった壱つの価値であり今であることをこそ言うのである。

 

さうした意味でのたった壱つの価値を能力の多寡や出來の良し惡しやまた金の有る無しでの価値でもって汚してなどしては決してならない。

嗚呼まさに金額でも無く完璧さでも無くだが此のペンは自分に取りかけがえの無い何かへとたった今なりつつある。

 

 

まさに哲學的に申せば現存在はむしろ其のやうな「己の中の物語性」にこそ是非生きて居て然るべきなのではないか。

其れも常に現代社會が求める能力や見た目の良さや財力などとはまるで関係の無い部分にこそさうして眞の意味での価値が宿って御座る。

 

うーん、其れと此のペンを使うとどうも信長公と秀吉公がくっついて居るかのやうに感ぜられてならぬ。

其の重くて黑くて強面の信長公と若干軽くしかも金ピカの秀吉公とがくっつきさうして何時の間にか自分に取ってのメインのペンとなって仕舞ったのだ。

 

まさに其のことをこんな尾張の眞夏の夜の「怪談」と云わずして他に何と申せば良いのか。

さうして取りあえず大分の萬佳さんには是非感謝して置きませう。

 

兎に角「文句」では無く其れも心よりの「感謝」である。

其れもこんなに不可思議な🖋を与えて下さりしかの岡垣氏に對しまずは心より礼を言おう。

 

ちなみにキャップを交換しただけのことであるから「夢万年筆」は現在弐本ある訳だ。だがもう壱本の方は余り具合が宜しくは無い。故に弐本を買いようやく「使える壱本」がかうして出來上がったのだ。

 

左様に此の世の出來事(現象)とは複雑であり且つ怪奇な所謂因縁により常に結ばれるものだ。よって此の筆記具蒐集に於ける「物語り」こそが其の現象の不可思議な様をむしろ其の侭に語るものなのだ。

 

 

※我が夢🖋の仕様諸元

 

銘ー「眞夏の夜の尾張の怪談」

ー胴軸が織田信長公でキャップが羽柴秀吉公ー

 

筆記全長ー183ミリ

重心位置ー5.5對4.5

重量ー33グラム

 

となる。

 

ちなみに個人的には低重心のペンー5對5~4.5對5.5位の重量バランスのペンが好きですがまずもってそんなのは無い。通常は6對4位の重量バランスでの🖋が殆どである。

 

また大型の🖋故33グラムはむしろ適正値となる。🖋は重過ぎると長時間筆記が難しくなりがちだ。だがコレクターの中には100グラム以上の所謂「文鎮🖋」の類を好む人などもまた居られるのである。