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文明批判と美と心の探求と

個人的に最後の現代の万年筆となりさうな「Novelli Augusta」ー伊太利亜製の万年筆の尽きせぬ魅力と其の危うさとー

個人的に最後の現代の万年筆となりさうな「Novelli Augusta」ー伊太利亜製の万年筆の尽きせぬ魅力と其の危うさと 1ー

 

 

 

 

さて長期休暇に入る前に🖋のことを壱本だけ是非述べて置かう。

特に最近は「文明嫌い」なのがより酷くなり自分の中での所謂「加工品」に對する評価がまた壱段階位下がったので其の分石の話が多くもなって居る。

 

「Sirius氏に取っての最後の現代の万年筆」

 

其れはさう述べても良いことだらう御品となる。

 

彼Sirius氏はそんな「現代の万年筆」に於いてもありとあらゆることをすでにし尽くして來た。

彼はあらゆる限定🖋を此れ迄に手にしさうして使い込んでもまた來た。

 

特に九拾年代の限定万年筆に於いて豊富な知識と経験を持って御座る。

要するに九拾年代の限定万年筆に於いて彼の右に出る人はまず居ない。

 

そんなSirius氏は21世紀に入ると「筆記思想」を転向し右翼から左翼になった。

いやさうではなかった。

 

Sirius氏は21世紀に入ると「筆記思想」を転向しそんな「限定万年筆マニア」から「古典の萬年筆マニア」へと華麗なる転身を遂げたのだった。

つまりは戦前~廿世紀初頭位迄の所謂ヴィンテージやアンティークの萬年筆のマニアとなった。

 

 

まずは其のことが「普通の愛好家」にはやれぬことである。

「普通の愛好家」は其れ其れに皆泳ぐ「場」を持って居り其の範囲の中でコレだアレだとさう万年筆を批評するものなので其れ即ち了見が狭い。

 

でも彼Sirius氏に限りそも變わってる。

要するに常識的な人では無いので何をやるか分からぬ。

 

何をやるか分からぬので怖いのだとも言えやうが反面何でもやれるので観て居る方は頗る面白い。

でもって彼Sirius氏は結局万年筆を「哲學」した。

 

ソコはまあ彼のことだから最終的に🖋は彼の哲學的思考の俎上に乗せられソコにて何でも切り刻まれつまりは「裸」にされて仕舞う。

もしや彼はそんな「裸」フェチなので?

 

さうなの、さうして何でも彼に正體を見破られて仕舞うの。

だから何でも「お見通し」になって仕舞うの。

 

なので文明も万年筆も全部がスッ裸とされ彼の高度な理性の力の前に引き摺り出され最後には必ずやバカにされて仕舞う。

…全くイヤな奴だ。

 

まあさうですね、其のイヤな奴とのことこそがSirius氏が持つ本性の部分でせう。

 

 

さて「Sirius氏に取っての最後の現代の万年筆」とは何か?

其れはメディチ限定万年筆でも無くペリカンM1000でも無くまたPILOTの大型漆モデルでも無くまたプラチナ70やプラチナ80でも無い。

 

では其れは何ですか?

其れがズバリ「Novelli Augusta」です。

 

でもそんなもん誰も知りませんよ。

当然でせう。

 

其れは世界限定参百本の「特別な限定品」なのだから。

其れもおそらくは此処🗾に五本も無いことだらう。

 

いや🗾に有るのがコレ壱本である可能性が77パーセント程も有らう。

 

1.セルロイド製の八角

2.伊太利亜ROMAのショップNovelliの限定万年筆ーノヴェッリ・ペン&パイプの創業50周年記念万年筆ー

3.プランジャーフィラー

 

其れは美しいセルロイド軸の限定万年筆となる。

しかも八角軸の万年筆となる。

 

するとレアーな角軸モデルとのことなのですね?

さう筆記具の世界で最も得難いのが其の角軸の御品となる。

 

ところが鉛筆や芯ホルダーではむしろ其れが普通の意匠となる。

また事務用のボールペンなどもむしろ其れが普通の意匠となる。

 

だが万年筆や銘木ボールペンでは「面取り軸」である「角軸」が常に最もレアーなタイプとなる。

なる程、故にアナタは其の「角軸」を好んで集められて居た訳ですか。

 

いやより正確には徹底して其れを集める迄には至らなんだ。

特に万年筆や銘木ボールペンの「角軸」はまずモノが出ないのだし出たにせよいつも其れが得られるとは限らない。

 

要するに入手する機會其のものが少ない故に最も難しい蒐集分野なのだともまた言えやう。

昨年は其れでも何とか壱本だけ日本の古い八角萬年筆を得て居るが他の弐本は逃して居る。

 

また中屋萬年筆などにもそんな「角軸」が有る。商品一覧・中屋万年筆 (nakaya.org)

其れが「拾角」モデルだがすでに売られて居るかどうか分からない。

 

物は急に販売が打ち切られたりもまたする訳なので欲しいと思う時にすぐに動かないと得られぬこととなる。

まさに其の点では石でもまた筆記具でも同じであり得られるかどうかは「縁」次第となる。

 

 

Visconti Novelli Augusta 50 Anni for today! : r/fountainpens (reddit.com)

Visconti Limited Edition Augusta Novelli 50th Fountain Pen - Chatterley (chatterleyluxuries.com)

 

「Novelli Augusta」は極めてレアーな限定万年筆となるがいまだかうしてネット上に情報が出て來る。

其れは此の🖊に惹かれた人が當時壱定数居たからなのかもしれない。

 

當時Novelliショップの常連客だったわたくしもまた其の壱人である。

 

4.2005年迄に「Novelli Augusta」を弐本求めた

5.其れはある意味で「究極」の限定万年筆だった

6.但し其れはVisconti製となる

 

In 2000, Marco and his dad, Augusto, started the planning of a pen to celebrate the 50th anniversary of the thier store, Novelli Pen & Pipe.  The resulting pen, the Augusta had two main influences. Marco liked a pen Montegrappa had created, the Reminiscence, with a eight-side faceted body. Augusto liked a blue and bronze celluloid that was once used in one of the original Waterman Patrician pens released in the 1920s.

Together, they worked with the Italian pen manufacturer, Visconti, to create the Augusta fountain pen. Up to this point, Viscount had not produced an faceted pen, and this would be their first.

Karen and I first met Augusto in 1997. He wrote with a great offer: come to Rome and he would take Karen and I out to lunch. Why not! We enjoyed meeting him and he showed us the extensive collection of pens at the Novelli store. At that time, the store was actually located across the street from its present location. It was smaller, and I remember Augusto bringing tray after tray of pens from the back room. Of all the pens we say, we ended leaving the store with the Waterman Etoile Man 100 in sterling silver. We may have seen his son Marco, was working in the office upstairs accessed by a ladder from the store.

We returned to Rome in 2001 and received the sad news that Augusto had passed away. Marco, showed us many pens, including the Visconti Novelli Augusta pen. A Limited Edition, 300 fountain pens. I did not select the pen at that time, and I ways regretted that decision. Over the following years I would see one become available from time to time on e-bay, but I was never able to get the pen with the nib I wanted.

On our 2015 visit to Rome, Marco showed me a new release of the pen. Visconti had asked if he wanted to use of the remaining stock of celluloid they had. I quickly made the decision to acquire the Augusta pens. The pen produced in the original stunning celluloid was produced in two versions. One version had 24K gold trim. There were 300 pens produced. Some of this run were made available to pen stores outside of Italy. A second version was produced with sterling silver rhodium plated trim, and only four were created. Sterling silver and celluloid is a draw to me, and I have pen IV or IV.

How is the pen? Light to hold as the body and cap are made of celluloid. It is a large pen in size - 5 1/2 inches when capped and 6 3/4 inches when posted. It fills with a power piston filler mechanism and there is a clear ink view window to show the status of ink in the chamber. There is a double reserve ink chamber so ink can transfer to a second chamber for flights.

The pen has an incredibly smooth 23kt gold palladium nib. My pen has a Broad width, and it lays a solid line of ink on the paper.

Novelli Augusta - Glenn's Pens - Pens of Note (glennspens.com)より

2000年、マルコと父親のアウグストは、ノヴェッリ・ペン&パイプの創業50周年を記念してペンの企画を始めた。 その結果、アウグスタというペンが誕生した。マルコは、モンテグラッパが作った8面体のボディを持つペン、レミニセンスが好きだった。アウグストは、1920年代に発売されたウォーターマン・パトリシアンのオリジナル・ペンに使われていたブルーとブロンズのセルロイドが好きだった。
二人はイタリアのペンメーカー、ヴィスコンティと共同でアウグスタ万年筆を作り上げた。それまでビスコンティは切子の万年筆を製造しておらず、これが彼らの最初の万年筆となる。
カレンと私は1997年に初めてアウグストに会った。ローマに来れば、カレンと私をランチに誘ってくれるというのだ。どうして?私たちは彼に会うのを楽しみ、彼はノヴェッリの店にある豊富なペンのコレクションを見せてくれた。当時、ノヴェッリの店舗は現在の場所から通りを挟んだ向かい側にあった。その店はもっと小さくて、アウグストが奥の部屋からペンをトレイに次から次へと運んできたのを覚えている。私たちが言ったすべてのペンの中で、私たちはスターリングシルバーウォーターマンエトワールマン100を持って店を後にした。息子のマルコは、店から梯子で上がれる2階の事務所で働いていた。
私たちは2001年にローマに戻り、アウグストが亡くなったという悲しい知らせを受けた。マルコは、ヴィスコンティ・ノヴェッリ・アウグスタのペンを含む多くのペンを見せてくれた。限定300本の万年筆だ。その時、私はそのペンを選ばなかった。その後数年間、e-bayで時々入手できるのを見かけたが、私が欲しかったペン先のペンを手に入れることはできなかった。
2015年にローマを訪れた際、マルコはこのペンの新発売を私に見せてくれた。ヴィスコンティは、残っているセルロイドの在庫を使いたいかと尋ねてきたのだ。私はすぐにオーガスタのペンを手に入れる決断をした。オリジナルの見事なセルロイドで製造されたペンは、2つのバージョンで製造されました。1つのバージョンは24Kゴールドのトリムが付いていた。300本生産されました。そのうちのいくつかは、イタリア国外の筆記具店でも販売されました。もう1つのバージョンは、スターリングシルバーにロジウムメッキを施したもので、わずか4本しか作られなかった。スターリングシルバーセルロイドは私にとっては魅力的で、ペンIVかIVを持っています。
ペンはどうですか?ボディとキャップがセルロイドでできているので、軽い。サイズはキャップ時で5.5インチ、ポスト時で6.3/4インチと大きめです。インクの充填はパワーピストン式で、インクの残量が一目でわかるように、インクの残量表示窓が付いています。ダブル・リザーブ・インク・チャンバーがあり、フライト用にインクをセカンド・チャンバーに移すことができる。
ペン先は驚くほど滑らかな23金パラジウム。私のペンはブロード幅で、紙の上にしっかりとしたインクの線を描くことができる。

ーDeepL.com(無料版)で翻訳しました。

 

 

其のマルコ氏と當時自分は懇意になって居た。

のみならずNovelliショップから多くのペンを買い入れても居た。

 

特に凄かったのが「Uffizi」と云うViscontiの限定万年筆であり其れはまさに「夢のさ中」の如き御品であった。

「Uffizi」とはかのウフィツィ美術館 - WikipediaのことをモチーフにしたViscontiの限定万年筆作品だった。

 

さうして万年筆が「作品」化するのである。

「Uffizi」は90年代初頭の紛れも無きViscontiによる「工芸作品」なのだった。

 

伊太利亜の🖋メーカーは兎に角そんな「作品」化を万年筆に於いてしたがる。

つまりはさうして藝術的感度と言うか感性に優れる國なので何でもゲージツ方面へと持って行きたがるらしい。

 

だが本日はあくまで「Uffizi」では無く「Novelli Augusta」のことを述べるに留めて置きたし。

 

 

Novelli is one of the most important and well-renowed pen shops in Italy.

It is known and appreciated worldwide ever since its founder Augusto Novelli started to travel to attend the most important US and European pen shows.

Augusto Novelli and his wife were able to boost their family business far beyond the city of Rome. Their son Marco confirmed the family tradition as he was one of the first Italian shop owners to go online and have a great success at international level.

Over the years Novelli commissioned a number of limited editions to the major Italian pen makers and they all were widely appreciated by the public.

In 2001 Novelli celebrated it first 50 years of activity and they commissioned Visconti with the creation of a special pen, called Augusta, to honor Augusto Novelli's activity.

The pen was manufactured in one of the most precious and desirable celluloid colors: blue and bronze, to recreate the contrast typical of lapis lazuli stones.

The celluloid used for the Augusta is the same as the one Visconti used for the Titanic and the Didgeridoo.

https://www.tenpen.it/product/visconti-didgeridoo-prototype

This Novelli Augusta is unused and it is fitted with an M nib.

It is an assertive pen, equipped with the famous Visconti filling mechanism which guarantees a very large ink capacity.

The pen is pre-owned but in pristine condition.

NOVELLI AUGUSTA - LIMITED EDITION | Tenpen - By Letizia Iacopiniより

ノヴェッリは、イタリアで最も重要で定評のある筆記具店のひとつである。

創業者のアウグスト・ノヴェッリがアメリカやヨーロッパで開催される最も重要なペン・ショーに出席するために旅するようになって以来、ノヴェッリは世界的に知られ、高く評価されている。

アウグスト・ノヴェッリと彼の妻は、家業をローマ市内だけでなく、遠く離れた場所にも広げることができた。息子のマルコは、イタリアで初めてオンラインショップを立ち上げ、国際的に大成功を収めた。

長年にわたり、ノヴェッリはイタリアの主要な筆記具メーカーに数多くの限定版を依頼し、そのすべてが広く一般に評価された。

2001年、ノヴェッリは創業50周年を迎え、アウグスト・ノヴェッリの功績を称え、「アウグスタ」と呼ばれる特別なペンの製作をヴィスコンティに依頼した。

このペンは、ラピスラズリに見られるコントラストを再現するため、セルロイドの中でも最も貴重で望ましい色のひとつであるブルーとブロンズで製作されました。

アウグスタに使用されたセルロイドは、ヴィスコンティタイタニックディジュリドゥに使用したものと同じです。

https://www.tenpen.it/product/visconti-didgeridoo-prototype

このノヴェリ・アウグスタは未使用で、ペン先はM。

主張の強いペンで、非常に大きなインク容量を保証する有名なビスコンティの充填機構を備えています。

このペンは中古ですが、きれいな状態です。

DeepL.com(無料版)で翻訳しました。ー

 

 

7.伊太利亜の🖋は常にブッ飛んで居るーさう藝術的だー

8.さうして常に美しくも脆い物となる

9.伊太利亜と云う國其のものがむしろそんなものなので

 

さて言うまでも無く我が感性に伊太利亜の🖋が合うのはむしろ当然のことである。

即ちゲージツこそがむしろ日常であり逆に「常識」なんぞは見下しだとさう言って憚らぬ御仁がそんな伊太利亜の🖊に嵌まらぬ筈が無い。

 

が、常に認識上の両義者である我は當時独逸の🖊にも同様に嵌まって居りましたのです。

ですので實は其処にて理性の面が独逸の🖊をこそ追い求め同時に感性の面が伊太利亜の🖊をこそ追い求めてやまなんだのです。

 

でもって當時求めし伊太利亜の🖊の多くはほぼ死に絶えましたのです。

では独逸の🖊のみが残ったのか?

 

いえ独逸の🖊は結局東京の店にほぼ売り払い後は僅かな物を残すのみ。

ところが、です。

 

が、残った伊太利亜の🖊は売るのが難しい。

何故なら時間が経つとあれこれとありつまりは壊れるのだから。

 

すると結果的に伊太利亜の🖊がバラバラになりつつも部品として使われ生き残ることとなる。

なので現代の万年筆で使って居るのはむしろ伊太利亜のモノばっかりともなる。

 

其れもヴィスコンティ製の限定万年筆は壱番壊れ易い。

但し九拾年代物に限れば。

 

ところが其の九拾年代物のヴィスコンティ製の限定万年筆に限りまさに「藝術的にレヴェルが高く」有るのです。

 

 

藝術⇔實用

工芸品⇔実用品

 

つまり其処での對立項目が「平準化」されると實は對立其れ自體がうやむやとなり「常識的」なでも魅力の無い物と化して行きがちです。

例えば🗾製の🚙や筆記具はどちらかと言えば「穏やか」に過ぎデザイン的に面白くは無いとさう言われがちでしたものです。

 

其の中ではかってのセーラー万年筆やプラチナ萬年筆が結構個性的ではあったが今や其れもどうなのだらう?

また概して評価の高いパイロット製の万年筆にせよ何せ根が眞面目ですので其れは伊太利亜物のやうにはまさか成り得ない。

 

故にモノはまた「實用」壱本槍でも余り面白くは無い。

だから先の中屋万年筆や笑暮屋、さらに万年筆博士などの所謂手作り万年筆の世界が台頭して來るのである。

 

但し其の「手作り万年筆」の世界もまた価格が高騰し九拾年代迄の感覚ではおしはかれぬものとなって居やう。

 

藝術⇔實用

工芸品⇔実用品

 

其のことは結局のところ現行の万年筆の世界に於いて實現されることの無い對立的価値となる。

ならば其のことがむしろ高いレヴェルにて成し遂げられて居たのは百年以上前の萬年筆の世界でしか有り得ない。

 

とまあ「理想論」として万年筆を論ずればさうならざるを得ぬ。

 

ですがヴィスコンティ製の限定万年筆は壱番壊れ易いが壱種ブッ飛んで居りつまりは藝術的なのだ。

ヴィスコンティと双璧なのがOMAS社の🖋ですがココはすでに會社其のものが潰れて久しくよってオマスの🖊は現在最もカルトな🖊ともなりつつある。

 

個人的には好んで此のOMAS社のセルロイド軸の物を愛好して居る。

其れも現在使うだけでも拾本近く有る。ー銘木軸をも含めるとー