樂しく使おう夏場の筆記具ーコレクターは夏でも樂しく筆記に勤しむとの御話ー
さてあくまで自分の場合には夏場になると使う筆記具などもまた變わって來る。
其れも🗾の夏は湿度が高くあり蒸し暑いですから「涼しい軸」の筆記具などがあれば其れが壱番良い訳です。
文明物の所謂合成樹脂の軸の筆記具もまた使わぬ訳では無いですがむしろ其れは区役所や郵便局等での書類用であるとか其のやうなもので我のやうに「筆記」其のものを趣味にする者に取って其れは趣味的な筆記とはなり得ない訳です。
其れでわたくしの場合は「竹軸」の万年筆やボールペンを屡使うやうになる。
「竹軸」と言ってもまた色色とあるがあくまで自分が好んで使うのは中國や東南亜細亜で採れた竹材の軸であり其れはかってダイソーにて何処にでも澤山売って居た物です。
ところが今や其れが売られなくなって仕舞った。
要するに其れは「百円筆」の軸である。
ところが今や墨汁に其の筆を浸して書く🗾人は居ない訳でよってすでに売られなくなって仕舞ったのである。
ところが当時しこたま其れを買って置いた我はすでに生涯に亘り使い切れぬ程の其の筆の軸をストックして居るのである。
其れも別にソコへ大金を注ぎ込んだ訳では無い。
つまりは百円筆なので例え百本買うにせよ其の金額などはたかが知れて居る。
で實際に百本位は其の竹の軸を持って居る。
但し其れを毛筆として使う訳では無い。
即ち其れは万年筆やボールペン化されて行くのだ。
そんな訳で使う分だけですでに弐拾本以上はある。
ところが其れ等は材を良く吟味した上で選び拵えた軸なので其其に個性があり太さや色合いなどもバリエーションに富んで居る。
其れ等は太い物は少なく細い軸の物が多い。
細い軸の筆記具は所謂華奢でありつまりは華奢物となるのである。
華奢物と言えば西洋アンティークのDip Penなどもまた例外無く其の華奢物となる。
自分はかって其の分野にもまた深く嵌まり込んで居たがいまだ🗾人でもって其れをやった人を他に知らない。
要するに其の「100円筆」によるDip Penやまた万年筆化、さらにボールペン化した世界をかって自分は独自に開発して居たのだった。ー其れも15年程前よりー
尚市販品にも其の「竹」を用いた万年筆がかってはあった。
だが其れ等は概して高価でつまりは高級趣味の世界即ちよりdeepな筆記具趣味としての物でもあった。
自分もまたそんな「長原竹軸万年筆ーセーラー製ー」を数本持ち壱本は使って居たが其れも今や壱本も無い。
其のタイプの万年筆と思想的に合わなくなりすでに可成以前に手放して居る。
でもってむしろ其の「100円筆」による筆記具の方が自分の筆記思想を百パーセント體現する物であり同時に自分に取り無くてはならぬ筆記具となったのだった。
まさにさう云うのを「實存的価値」と言うのである。
即ち「オンリーワン」での価値のことだ。
此の世界にはさうした「オンリーワン」での価値を今まさに生きる職人さん方やまたマニアックな方や特殊な能力者の方がまた居るのである。
また偏差値が70以上ある方などもまた頭の出來其のものがそんな特殊能力者なのだらう。
さうした特殊能力者の方方の生き方は所謂「自己流」を頑として貫いて居られる場合が多い。
でも其れは所謂「利己主義」では無くあくまで自分を本位として独自のレヴェルが高い何かを創り上げる力のことだ。
また藝術家や宗教家などもまさに其のタイプでの人が多い。
要するに独りで其れを創って仕舞うのである。
其処からしてもどうも自分はそちらの方のタイプの人間でありみんなで酒を飲んで騒ぐのが樂しいだとかそんな部分がまるで無い人間なのである。
さうか、ではそんな「自己流」の筆記世界を君は筆記具愛好家としてずっと生きて來たのだね?
まさに仰る通りです。
兎に角筆記具の世界ではもうやりたい放題をして参りましたのです。
ですが最終的に魅力的なのは矢張りと云うべきか所謂銘木やまた貝殻など其れに漆等の自然由來の素材にて構成される軸材の筆記具となる。
また金や銀、さらに翡翠等の鉱物を由來とする軸材もまた価値が高いものとなるのだ。
なる程、すると其れ等の素材を用いる場合にはある意味で「筆記具に於ける価値ヒエラルキー」が通用しなくなる訳だ。
まさにさうなのだ。
所謂「ブランド」による「価値ヒエラルキー」から素材による「価値ヒエラルキー」へと価値が移行して行く訳だ。
また例え「百円筆の軸」であれ竹と云う自然素材なので元來安物なのでは無い。
勿論千円、弐千円する筆の軸を使い万年筆化、ボールペン化することもあり其れは其れで確かに良い物が出來る。
ところが結局値段ばかりでも無いのである。
むしろ「百円筆の軸」の方が多様性があり面白くなるのだと言える。
さて自分が今哲學的に捉え大事にしつつあるのはまさに其の種の實存的価値のことである。
其れは基本的に社會が個に對し与えられるやうな価値では無い。
むしろ個の側から社會に對し示して行けるやうなそんな個性的な価値のことだ。
なので其れは基本的に大衆社會を尻目に見つつ歩む価値となる。
だがすでに誰も其の「オンリーワン」としての価値を奪い去ることは出來ぬ。
極論を言えばむしろそんな価値でこそまさに此の面倒な人生を満たしてみたい。
さすれば此の鬱陶しい人の世ももっともっと面白くなる筈なのだ。
木管 (ブナ) 7WH 15×9×200 | 建築資材・木材 | ホームセンター通販【カインズ】 (cainz.com)
さてところが今日御話するのはもっと簡単に拵えることが出來る筆記具のことだ。
上の材を毎年我はカインズにて買って來る。
其処では常に、
1.木肌が白く
2.穴が眞っ直ぐに通る
ブナ材を選ぶ。
壱番簡単なのは此の材に万年筆の首軸が嵌まれば其の侭万年筆化することが出來る。
事實今左手に握るペンがそんな自作のカンタン万年筆である。
また軸のカットもして居ない。
其の長い侭で使って居る。
ブナ材の此の夏用の万年筆は冬になるともう使わなくなる。
だが夏場は兎に角其の使用感が涼しい。
むしろ竹材の軸よりもより涼しく感ぜられるのだ。
其れとブナと云う木材は非常に手触りが優しいまさに女性的な木肌を持つ。
其れでもって此処五年ばかりは其のブナ材のカンタン万年筆に嵌まり込んで仕舞って居る。
木管(ブナ) 3WH 35×21×200 | 建築資材・木材 | ホームセンター通販【カインズ】 (cainz.com)
でもって今欲しいのはこちらの太く穴の径のあるタイプの材だ。
こちらを使えばより本格的な万年筆が製作可能となる。
ところで今使う此のカンタン万年筆はつい壱週間程前に作った物である。
たまたま古い中國の万年筆の首軸がピタリと合い其れを捻じ込むことが出來たものである。
ですが實はダヤコムのボールペンキットの首部品を付けることも可能である。
だから軸の反對側をボールペンとすることなども出來る。
また軸を弐分割し万年筆とボールペンを壱本づつ作ることもまた可能である。
で此のやうなことを書くとまるで自分が「工作が好きな」人のやうに見えて仕舞うかもしれないのだが基本自分は手先が不器用で観念は動いても手先はまるで動かぬ人間である。
だから自分の筆記具改造は其の全てが基本的に「カンタン改造」なのである。
兎に角ブナ材の其の筆記具であることが最高なのだ。
其れも塗装などの無い無垢材の手触りや匂いまでもが樂しめ自然派の方にはまさに御勧めのカンタン改造である。
オリジナル万年筆 - スティロアート軽井沢 Stylo Art~手作り万年筆と木の筆記具 ~ (stylo-art.com)
其のカンタン改造は貧乏改造なんでは無い。
だが昔は自分もまた高級志向で兎に角万年筆なんぞは拾萬以上の物ばかりを多く持って居た。
其の頃に此の軽井沢のショップを知って居ればすでに弐、参本は買って置いた筈であるが此のショップを知ったのがまさに五年程前のことだった。
万年筆アサマ 蒔絵 「とんぼ」 - スティロアート軽井沢 Stylo Art~手作り万年筆と木の筆記具 ~ (stylo-art.com)
かうした高級品などもまた魅力的である。
万年筆タウト「クスのコブ」 - スティロアート軽井沢 Stylo Art~手作り万年筆と木の筆記具 ~ (stylo-art.com)
万年筆タウト「パロサント」 - スティロアート軽井沢 Stylo Art~手作り万年筆と木の筆記具 ~ (stylo-art.com)
だが「木材」其れ自體を樂しむのであれば「木材」其のものの軸のタイプが壱番良い。
「木材」其のものは意外と樂しめないもので何故ならメーカーの市販品の場合其の木にも塗装が分厚く施されることが多くよって其の塗装の感触しかしない物が逆に多くなる。
だがかうした「意識が高い系」での工房の作品はむしろ其の点を鑑み塗装の方を極力抑えて居ることが多い。ー此処もオイル仕上げのみとのことー
尚其の木製軸の万年筆を気樂に樂しみたい向きにはJinhao9056が是非御勧めである。
Vintage Jinhao9056 Wood Golden Clip Fountain Pen Fine F Nib 0.5mm Writing Gift | eBay
かうして壱本が約弐千円ですので結局わたくしなどは昨年四本を求めたが木材が皆違う故に其其に味わいが異なり其れこそ木の香りすらもが皆樂しめる。
さうかと言ってJinhao9056の作りが雑な訳でもまた木材の材質がチープな訳でも無い。ーむしろ作りはとても良く材もまた確りして居るー
實感としては最高に良く出來た銘木軸廉価万年筆である。
但し金ペン先に換える為には色色とまた作業が必要となる。
手元にはJinhao9056の黑軸ー黒檀かブラックウッドの軸ーに1920年代のシェーファーライフタイムのごつい金ペン先を付けた物があり其れなどは五萬位の万年筆並みのパフォーマンスを発揮する。
また香木であるパロサントー緑檀ーの軸の物もある。
パロサントー緑檀ーや樟は兎に角可成に香る軸となる。
そんな銘木ボールペンを多く持つが其れも使ううちに香りが弱くなりがちである。
そんな訳で本日は木の軸の筆記具に就き語ることとなった。
尚此れ迄で最も凄かった銘木ペンは何かとさう問われれば其れは國産モリソンの屋久杉万年筆である。
しかも此れは金ペン先が兜木鍛造14金ペンでありつまりは超マニアックな御品であった。
2010年位迄其れを弐本所有して居た。
其れもミディアム・サイズと特大サイズの弐本をである。
特大サイズの方は余りにもデカい軸なので初めに手放して仕舞った。
ミディアム・サイズの方は売った覚えが無いので何処ぞに紛れ込んで居る可能性が高い。
詳細ページ | 万年筆 ボールペンなど高級筆記具の販売・買取|キングダムノート (kingdomnote.com)
こちらが其のミディアム・サイズのバランス型のモデルですが自分の物はベスト型となる。ー但し売って仕舞って居る可能性もまたあるー
いずれにせよまさに此れが究極の銘木軸万年筆なのだと言えやう。
また廃業した伊太利亜のOMASなどにもかって良い銘木軸の限定品がありーCOLOMBO Ⅱー其れをいまだ弐本持つが此れがOMASでは壱番良いやうに思う。
OMAS Cristoforo Colombo II Medium Fountain Pen in Briarwood | eBay
嗚呼、今OMASの新品は何せ世界的に値が張る。
此のCOLOMBO Ⅱには現在百年前のWATERMAN 56の六号ペン先を付け使う。
其れも昔は四、五萬で入手出來たのであるが…。
だがいずれにせよ自然由來、植物由來での軸の筆記具は此の21世紀に至りより「癒し」の度を高めて呉れて居るのだと言える。
でもって本日は何せ御天気が良く其れでもって鉱物標本の整理整頓をして居たが其れと共に木の軸を日に当て干して居た。
其の木の軸とは庭にて石灯篭が倒れ折れた黄苺の茎である。
其れが枯れて仕舞ったので太さもまあまあですので筆記具の軸になるとさう思い伐り出して來た。
だが何やら中身が詰まって居るので其れを除かぬと筆記具の軸にはならぬやうだ。
いや別に筆記具とはならずとも例えば指示棒であるとか他にも暴漢の撃退用であるとか兎に角物には皆其れ其れに實存的な意味での用途がしかとあるのだから。