#詩
やさしさは愛じゃない 谷川 俊太郎 やさしさしかなかったんだね、 でもやさしさは愛じゃない、 やさしさはぬるま湯、 私はふやけてしまったよ。 ひっぱたいてくれればよかったのに、 怒り狂ってほしかったのに、 殺してもよかったのに。 あなたは私を誉めた…
無常の車 57 君も、われも、やがて身と魂が分れよう。 塚(つか)の上には一基(もと)ずつの瓦(かわら)が立とう。 そしてまたわれらの骨が朽(く)ちたころ、 その土で新しい塚の瓦が焼かれよう。 (58) 地の表にある一塊の土だっても、 かつては輝く日…
其の愛が愛ある世界から齎されるものなのか其れとも愛無き世界から齎されしものなのかと問へば矢張りと言うべきか其れは愛無き世界故にさう愛が齎されやう筈なのだ。 愛が完全なものであるのならば此の世に於ける不埒な様など起こり得よう筈も無ひ。 愛が完…
其れでは加島 祥造先生の詩の読解へと入らせて頂く。 馬鹿者はタオを大笑いする タオのひとは、前に進んでいるのに、 後戻りしているみたいに思われ、 タオの道はゆったりと平坦なのに、 そこへ入れば、もみくちゃにされると思う。 エナジーのいちばん、充実…
ランボーから金子みすゞまで!「詩人」を描いたおすすめ映画 正直言へば自称の詩人のじぶんをも含めて詩人とは謂わば常にどうしやうもなひ奴の別称でありむしろ居なひ方が良ひ奴等ばかりです。 其の所謂詩的なタマシヒが常に放蕩と美への耽溺を強ひて来るの…
無声慟哭 こんなにみんなにみまもられながら おまへはまだここでくるしまなければならないか ああ巨きな信のちからからことさらにはなれ また純粋やちひさな徳性のかずをうしなひ わたくしが青ぐらい修羅をあるいてゐるとき おまへはじぶんにさだめられたみ…
近代の欲望とは限りなく女の欲望です。 そして今最終段階としての女の性的欲望が解放されつつある。 尚これはかってはタブーだったことでした。 何故なら人間の生産装置である女に其れを許してはならないことだったからです。 許せば、無論のこと人間は増え…
一月の名著 中原中也詩集 中原 中也は齢三十で死んだ詩人ですのでおそらくは密度の濃い生を歩んだ人だったのでしょう。 然し詩人の生の根幹には常に生と死、夢と失意、破壊と構築などといった内面の格闘がありまさに其の様こそが詩人の骨格なり存在感を成り…
死と再生に関する先生の考察 でっかい何か=自然に繋がっている我々は元来空虚なものではない 元々其れは何か充たされたものなのだ だが空虚さを空虚さとして感じてしまう我々には自然における真の豊かさが見えてはこない 謂わば変化を「受けいれ」ないでい…