要するに人間というものはそんなに高級なものでもなく常に理性的に振る舞えるものでもない。
其の理性とは名ばかりのもので其の実はただ本能を履行しつつ生きて居るだけのことである。
そんなのは実存的存在でもなくましてや宗教が提示するところでの普遍化されし愛や慈悲、慈愛の精神の体現なのでもない。
要するに人間は何より動物なのであり普通の人間は生まれてから死ぬまでほぼ其の領域を堂々巡りしつつ生きて居るだけのことなのさ。
此の高級ではない我々という何者かに、何か高級な意味づけを行おうとして躍起になって来たことが近代的な精神の領域だったのだと云う事が出来よう。
然し其の人間の高級化は自己矛盾化していくことともなろう。
ゆえに其処で逆に等身大の人間をさえ生き切ることが難しくなっていって仕舞う。
其処で真の自己に向き合うことなく客体化されし虚像としての自分を生きる他無くなるのだ。
近代の精神こそが現代人をして其の様に貶めていくのである。
特に近代という時代の選別に洩れた者に対して否定の度は甚だしくなろう。
近代とは其の様な人間の選別過程でもあった。
言うまでもなく虚の自分を其処に築き得ることに対し長けて居る者こそが其処に生き残って来て居たのである。
即ち其れは選民思想そのものである。
何か高級なものではなく、逆に何か低級なもの、見せかけの理性を本能へと還元し得る性質の人間だけが此の時代に生き残ったのである。
だから近代を生きて其のことを喜んだりして居てはならないのだ。
近代以降の人は皆知らず知らずのうちに其の様に洗脳されていって仕舞うからなのである。
実際戦後の人間は国際化や宇宙開発などということを何か良いことのようにカン違いして来て居ることだろう。
でも国際化とは一体何なのだろうか。
宇宙開発とは一体何なのだろうか。
共に動物としての人間ー等身大としての人間ーには不必要なことだ。
人間は国際化など出来やしないのだし無論のこと宇宙人などにもなれやしないのである。
第一人種、習俗、宗教、国家といったものは元々普遍化することが出来ないものばかり。
男性が女性のことを、そして女性が男性のことを本質的に理解出来ないことと同じくして人種や習俗や宗教や国家は本質的に理解し合うことが出来ないのである。
だから、其れが差なのだ、差異というものなのだ。
そして此の差異を無くす方向へ進む思想こそは誤りである。
世界は普遍化することなど出来ないのである。
そして人間はいまだに原始人である。
いや、原始人よりもむしろより本能的に生きて居るのであろう。
つまり人間を理性化することも出来ないのである。
あくまで其の理性が不完全なので理性化することが出来ないのである。
世界が普遍化出来ないのであれば、政策上其処で是非お勧めしたいのが排外主義である。
人種や文化習俗や宗教や国家に於ける差異を大事にするのであれば其れもまた一種の合理的な選択となることだろう。
すると、何故か其処に例のトランプ氏が登場することとなった。
トランプ氏の発言に対し是はキリスト教徒の発言に非ずとかのローマ法王は仰ったようであるが彼の思想は本当にダメな思想なのだろうか?
其れで調べてみることにしてみた。
すると、部分的には素晴らしい政策を論じて居られたことに驚いた。
我は今其の非キリスト教徒であるトランプ氏の政策の幾つかを是非支持したい。
こんな奴が大統領になったら世界は破滅することだろうと、そう報道されるイメージだけで捉えて居りし我が馬鹿であった。
トランプ氏がある種女性に厳しいことを言うところなども大層気に入った。
もっともトランプ氏の金と力のある部分だけは矢張りどうしても好きにはなれずである。
過激な発言が目立つトランプ、実際は何をしようとしているのか?
http://blogos.com/article/149077/
偶然ではない!トランプとオバマの政策はそっくりだ
http://jbpress.ismedia.jp/articles/-/46304
意外や、トランプ氏とオバマ氏の政策は重なる部分があるようだ。
1.社会保障制度の拡充
2.富裕層への増税
3.関税引き上げ
この三点に於ける米国の民主党の政策にも近い政策は大いに評価出来る部分である。
尚今米国ではタクシー業界が破壊されつつあり給料または利益が半減して仕舞うような人が増えて居るそうである。
イノベーションにより、また規制の撤廃により特定の業界が大きな不利益を受け其処で働く人々の生活と未来を奪いつつある。
この様に資本主義社会に於ける最大の矛盾は、其処に於ける強欲に歯止めをかけることが難しいということなのだ。
特に富裕層への増税、是は当たり前のことなのである。
地球が壊れてもまた貧乏な労働者が空腹で死んでもまだまだ余分に金を儲けたいような金持ちは云ってみればそれこそキリスト教徒ではなくかつ仏教徒なのでもない。
出来れば富裕層からは搾れるだけ金を搾っておくことこそがより望ましい。
それでも彼等は餓死などしない。
其れでもまだまだ数億円位は持って居るから課税の強化位は屁の河童である。
また人間として此の現代を生きるのであれば是非医者位行かないと其処に近代合理主義の恩恵に浴す場すらないことになる。
人間なら医者位はかかれるだけの機会と場の均等を設けて欲しいものだ。
言うまでもなく関税引き上げは、自国の産業を保護するということですね。
まさに今自国の産業や自国の農業を重視しないでどうしますか?
物資の輸入なんてのに頼って居たら大体三十年で国は滅びます。
其れも全滅なんで。
Wikipedia-排外主義
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%8E%92%E5%A4%96%E4%B8%BB%E7%BE%A9
米国に限らず21世紀の諸国家はこうした排外主義で是非進むべきである。
何故なら今余りにも世界が不安定化して来て居るからなのである。
日本で言えばかっての鎖国政策ですな、是こそが一番宜しい。
対するグローバリズムなんていうのは、タダの破滅的近代幻想です。
人類はもはやそんな楽天的な場所には居らず、むしろ次第に追い詰められて来て居よう筈。
歴史過程として真の意味での理性化が成らなかった訳ですので、あらゆる自己矛盾領域での問題の矛先と対峙しなくてはならない訳です。
だから安倍政権の掲げる新自由路線での政策は完全なる誤りです。
第一此のトランプ氏にしても、そもTPPには反対でしかも米国は国際紛争への介入を大幅に削減すべきだなどと主張して居るそうだ。
だから其処に限ればトランプ氏の方が正しいのである、安倍首相の選択の誤りよりは明らかに。
この排外主義を何故あえて今わたくしが掲げるかと云うに、それこそ「限定」ということを国家乃至は文明が学ぶ必要があると思うからなのである。
人種や習俗や宗教や国家というものは実は皆此の限定的要素なのである。
其れ等はあくまで局所的なもので、つまりは小さい範囲でのものなのだ。
其の小さい範囲でこそ正確に、そして正当に成り立つことの出来るものだと云う事なのである。
其れが人種や文化習俗や宗教や国家の持つことだろう分ということでもある。
其の分をこそ弁えなければならぬ。
其れがバラバラに拡大し不純化し対立を生むようなものともなれば世界は其の故にこそ滅びることとなろう。
従って国家も宗教も元々グローバルなものではない。
人種や文化習俗もこの日本だけのもので沢山である。
皆がそう思いつつ鎖国を行い、或はモンロー主義で行くのが何よりより合理的なのである。
尚何も私は極端なことを述べて居る訳ではない。
私が極端なのではなく、まさに今世界こそが極端なのだ。
NHK クローズアップ現代 「“仕事がない世界”がやってくる!」
https://www.nhk-ondemand.jp/goods/G2016067950SC000/index.html
NHK クローズアップ現代 「“仕事がない世界”がやってくる!」
http://www.dailymotion.com/video/x3xwxzi
ここにもあるようにやがて所謂仕事は半減していくことでありましょう。
SFの話ではなく現実に仕事というものは次第に無くなっていきます。
つまりSF文學の世界は必ずや実現致します。
そして人間が何の為に生きて居るのかという其の根本のところが分からなくなっても参ります。
其処ではたとへばAI作家というものさえもが誕生致します。
人口知能が小説だのエッセーだの、詩だのを書いて其れを発表するようにもなりましょう。
すると其処でもはや作家や詩人は商売上がったりです。
つまりは表現の世界、藝術の世界に於いても人間の営為が浸食されていくのです。
合理主義はこの様に近代まで連綿として続く人間の営為の基礎を根こそぎ変えて行きます。
然しこんな世界を一体誰が望んで居るというのでしょうか?
私たち庶民は周りに愛する人々が居て、そして食うに困らず、またたとえ下らない仕事でも与えられた課題として其れを受け止めこなすことでこそ生の充実感を感じて居る筈です。
また時には美味しいものを食べに行ったり、家族で旅行へ行ったりし羽を伸ばすこと、趣味に没頭することなどで其処に得られる幸福度を増すことなども出来ます。
ですが人類の未来には残念ながらそうした小さな幸せでさえ用意されては居ないことでしょう。
矛盾し、劣化し、どこまでも強欲で、そしてどこまでも感情に欠けた合理主義の世界観と其の帰結から齎されることだろう人間の破壊の数々。
そうです、其処ではもはや人間そのものが破壊されていくのです。
近代三百年間で人類は自然を破壊し尽くしました。
ー温暖化による破滅的結末は其の結果です。ー
そして21世紀に人類は自己を破壊しようとさえして居るのです。
機械に仕事を奪われた人間は其のことに果たして耐えられるのだろうか。
いや、確かにわたくしなら其れに耐えることが出来ます。
何せ遊んで暮らすのが大好きな此の自称の詩人のわたくしなのですから。
年がら年中遊んで、出来れば詩ばかりを書いて暮らして居たい。
其れも合理主義を叩き潰すような詩ばかり書きつつ是非そうして居たい。