目覚めよ!

文明批判と心の探求と

夏に菴羅(マンゴー)を喰らふ


元より常に夏は我我に語りかけて居る。

何を?

煩悩と云ふ其の欲を。


左様に夏は欲望の権化であり如何にも暑苦しひ。

其処へさらに地球温暖化による物理的な暑苦しさが加わり實は二重に今暑苦しひ。

だが我に限れば其の暑苦しひ夏こそが好き♡だ。


対して寒ひ冬は嫌ひかと思って居りしがどうもほんたうはさうでなひ。

わたくしは冬の凍へ、其の死にさうな寒さが案外嫌ひでは無ひ。

こんな風に両極好みのわたくしは少しおかしひのだらうか。


とあれ青き空と白ひ雲、さうして緑なす山並みと激しく燃ゆる陽の光と、其の色調の対比の中にこそ夏は何処までも織り込まれしかしながら其れもいつかは去っていく。

まるで人間のイノチに限りがあることと同じやうにもう半月もすれば其れは去っていくのだ。


其の激しくも短ひ燃焼の記録をどうしても何処かに保存しておきたひのだけれども、其の思ひとは裏腹に決まって夏は早足でもって過ぎ去っていく。

其の燃焼への強ひあくがれと喪失への哀しみ、さうしたまさに相反した感情を秘めつつ其は今を駆け抜けていかう。



さて、うな丼と共に此の夏良く食って居たのが菴羅である。
菴羅即ちマンゴーである。

其れもほぼ毎日食っておった。


  
※観智院本三宝絵(984)上「菴羅乃花は滋けれども菓子を結ぶは希なり」 〔玄応音義‐八〕菴羅/奄羅より

さて、菴羅は仏典とも関連の深い仏菓である。
事実経典の中にも菴羅園のことが屡出て来たリもする。


ある時、釈迦は、マガダ国ラージャガハ王舎城)の医者ジーヴァカが所有するマンゴー園に滞在していた。ジーヴァカ経より


古代インドでは遊女と言っても身分の高い者だったらしくその遊女が仏陀にマンゴ園を寄進したという話です。アームラパーリーが水瓶を持っていますのは,彼女の所有するマンゴー園を寄進することの約束の証です。仏陀の上の木はマンゴの木らしいです。仏陀の生涯ー4より


このヴァイシャリーの街にアンバパーリーという遊女がいました。
彼女はたぐいまれな美貌と才能をもち、おおくの貴族を相手にして、かせいだお金でたくさんのマンゴー農園を所有していました。

アンバパーリーはマンゴー農園のなかに精舎をたてて、ブッダたちをもてなしました。

   

熱帯性の果物である菴羅は元々印度が原産地だ。
実際にマンゴー園の中で釈迦による説法が行われて居たのではなかったか。
また当然に菴羅は仏教徒に食われて居たことであらう。

釈尊もまた屡食されて居たものと思われる。

其のやうな由来があるがむしろ此の事は最近調べてみたもので印度にはマンゴー園が沢山ありかってマンゴー園が教団の為に寄進された、と云ふこと位しか最近まで知らなかった。

尚宗教は遊女に対し概ね寛容である。
釈迦にせよキリストにせよまさに其の罪を憎んで人を憎まず、と云った認識があり心の方向を教義の方へと向けて居る女に対し心理的に差別を為す訳ではなひ。

が、女には其のやうに根本的な部分での性欲の暴発がままあるものなので常に其処は気を付けておかねばならぬ。


で、何故其のマンゴーを毎日食って居たかと云ふことである。


實は今我が家はマンゴーにも凝って居るのであった。
ところが、つひ五年程前まで食ふことなど稀でうーむ、さうだなあ、さう言へば子供の頃何処かで食ったかなあ、と云ふ位のものであった。

ところが、だ。

其のマンゴーへの無関心の状況が一変する。


五年程前に、従姉の旦那ー優秀でもってして金持ちでしかも息子が日航の機長、でももう74歳だーが宮崎県産「太陽のタマゴ」の上等品を幾つか呉れたのだった。太陽のタマゴ

太陽のタマゴは、其れも一玉一萬円程もする「太陽のタマゴ」の御味はまさにまさに此の世のものとも思われぬ程だ。

実際此の瞬間に何かが変わった。

其れを食った瞬間に其れまでの常識としての何かが崩れ去ったのだ。


が、さうした贅沢はむしろ庶民がするやうなものでは無ひ。

庶民は粗食でもって日々こき使われてこそ輝くものであり其の反対にゴルフ三昧、石三昧、其れに菴羅三昧など好んでして居るにもはや其れではとても助からぬ、即ちロクな死に方など金輪際せぬものだ。


左様な贅沢はもう今すぐに止めてお仕舞ひなされ!

今すぐに其れを止め釈迦の説法につきいま一度是非学び直すべきだ。

とは言へ、すでに舌の方が其の味を覚へて仕舞っておる。

おお、其の香り、舌触り、果汁の具合の何から何までもが。

其の何もかもが我をして魅了ししかも調べてみたところマンゴー其れこそが仏果であった。


其はまさに因縁ぞ、縁起が指し示しし因縁の様ぞ!

嗚呼まさに業の焔ぞ欲望のメラメラのことぞ。

が、むしろそんな時に限り金が無ひ。


勿論其れから「太陽のタマゴ」なんぞ食っては居らぬ。

第一バカバカしひではないか、そんな一萬も五千円もする高価な果物なんぞは。

どだひ果物はすぐに口の中でとろけて仕舞ひ果汁と若干の食物繊維とに分かたれるだけだ。

果物など腹にたまらずそんなものは別腹におさまるだけのお話で其処から夏の燃焼に立ち向かふだけのパワーなどとても出ては来ぬことだらう。



食の医学館の解説より

マンゴー

《栄養と働き&調理のポイント》


 マンゴーはインドおよびインドシナ半島を原産地とし、紀元前から利用されていたといわれます。
 甘くてねっとりとした食感と、適度な酸味、そして濃厚な香りが特徴で、世界三大美果の1つにあげられます。
○栄養成分としての働き
 マンゴーはビタミンCを100gあたり20mg含み、1個で1日の所要量の半分近くがとれます。
 一方、熟すにつれて色が濃くなってきますが、これにともなってカロテンの量が増大します。含有量は100gあたりに610μgと多く、柿をしのぐほどです。
 カロテンは免疫機能の維持や抗酸化作用に働きます。この働きにより、かぜ、肺がんなどの予防が期待できます。
 また、黄色の色素にはフラボノイドの一種であるエリオシトリンが含まれており、脂質の過酸化を抑える働きをもっています。そのため、がんや老化の防止、糖尿病予防の効果も期待されます。
 体の直接的なエネルギー源となる糖質もブドウを上回り、ビタミンCの働きと合わせて疲労回復やかぜの予防に役立ちます。


ところが菴羅を食すればある意味パワーは出るものだ。
ヴィタミンA及びCが多く含まれるゆえ實は年寄りや虚弱体質の人などにも良く効くことだらう。

其ればかりではなく兎に角美味くもある。

香り豊かでもって濃厚な風味がありわたくしの結論としてはまずは他のどんな果物よりも美味ひ。


但し是非気を付けて頂きたひ。
家の場合はかうしたアレルギーや花粉症は無ひからマンゴーが体に合って居るが中には合わぬ人もまた居るのだ。



嗚呼、安ひ菴羅を是非食ひたひものだ。宮崎産完熟マンゴー 贅沢の極致ーかように安ひタイプでの「太陽のタマゴ」もまたありー



だがおや、こんなところに安ひ菴羅が。

安売りスーパーウオダイに其のメキシコ産の菴羅が。

との訳で此の七月一杯、其れも目一杯にほぼ毎日、かのメキシコ産菴羅を食して居たので御座ります。

其れもパック入り二玉がなんと税込み六百円弱なり。

つまりは一玉がたったの三百円だ。

しかもデカい、美味ひ、まさにまさにヤミツキとならう菴羅の味がして居るぞ。


気温35度、其の中を自転車でひた走りに走り隣の隣の区のウオダイへ。
250円弁当×2、鉄火巻き×4、菴羅×4パックを自転車の駕籠に詰め込み再び熱波の中へと飛び込む。

サア早う、早う其れを冷蔵庫に入れよ!

あーーー、うんまひー。

うんまひなあ、母ちゃん、まさにまさにコレこそが菴羅三昧の様よ。

尚見た目は宮崎産の方が全体に洗練されては居るが自然物としての野性味はむしろコチラが優れて居り並びに味自体はさほど変わらず。

要するに「太陽のタマゴ」は観念的な果実洗練度に於ひてより優れて居り勿論最高に美味ひが其の癖バカバカしひ程に高価だ。

対してウオダイが売ったメキシコ産菴羅は一玉三百円で逆に野性味が味わへしかもデカくて食べでがある。



皮、其の菴羅の皮、コレを兎に角しゃぶれ。

菴羅の皮に付きし果肉が實は極端に美味ひ。

兎に角果物がこんなに美味ひと思ったことなどこれまでに無くしかも高くて美味ひのは当たり前だが安くて美味ひ果物をしこたま食ったのも我が家にとって今回が初めてのことだ。

尚、其のメキシコ産菴羅はもはや売られては居らぬ。

かくしてメキシコ産マンゴーには時期があり要するに七月一杯のものだったやうだ。


實は最後の一玉がまだ冷蔵庫に入れてありまさに其れを本日食ふのだ。

どうだ、羨ましひであらう、さうして此の食欲巡礼がバカバカしくも楽しひことであらう。

何、楽しくは無ひ?

そりゃお前さんの口には決して入らぬからだ、其の三百円のメキシコ産菴羅が。




ウワア、こんなものまであったのか。釈迦の頭、即ち仏頭ぞ。


おや、こんなところにはかのパパイヤが!

左様にイオンで買って来たパパイヤはまだ食っては居らゆえ其の味わひの様をリポートすることが出来ず。

尚イオンには沖縄産、さらに宮崎産と色々とマンゴーがありしがいずれにせよさう安からう筈も無く大体五百円、千円程はして居るやうだ。



ちなみに昔父が桃を好んで居たものだった。

だが桃は難しひ。

桃の安ひ奴にはマズひものが多ひ。

確かに桃も高ひ奴は美味ひ。

だが其れは当たり前のことだ。


さて普段からわたくしは梨なども好きだ。

まずは幸水梨を冷蔵庫にてキンキンに冷やす。

さうして自転車でもって炎天下を二時間は移動して来る。

帰ると同時に其の幸水梨を剥ひて食ふ。

面倒臭ひ時には皮ごとバリバリと喰らへ。

天国とはまさに其の時のことであらう。


即ち天国とはさうして地獄とは観念には非ず、其はむしろ肉体のことであらう。

より正確に言へば観念性と共に其の肉体性による二元的煩悩世界が其処には無限に拡がって居ると云ふことだ。

ちなみに菴羅は梨よりもまたスイカよりもずっと美味ひ。


即ち熱帯のものなので味や香りなどの個性が強くまさに濃厚な味わひなのだ。
残念ながらお盆に売られて居るメキシコ産はもはや無ひのかもしれないが本来ならば仏前に供へる果物はまさに仏果であるマンゴーこそが最適なのだ。

尚、食べ物を仏壇の前に供へることは本来ならば間違っておらう。
實は仏壇を置くこと自体が間違っておるのだがまあ其処は大乗仏教が何かと不純な由縁などもあらうからとりあへず見逃すこととしておかう。

最悪なのは仏壇の前に静岡メロンや夕張メロンやフィリピンバナナ、巨峰、岡山産のマスカット・オブ・アレキサンドリアなどを供へつひ其のことを忘れて仕舞ひ果物を腐らせて仕舞ふことだ。

其れはもう仏の顔に汚物を擦り付けたも同じことで左様な心掛けでは地獄に堕ちることはもはや必定。


ちなみに其のマスカット・オブ・アレキサンドリアこそはわたくしの大好物。
つまるところはそんな高級品に限り縁が深ひ。

だが高くて普段は食へぬので安ひ菴羅やらマスカットやらを普段から探し回って居ると云ふそんな話なのだ。

尚現状では此の摘み落とし マスカット こそが安くて美味さうで大変有望だ。


其のやうに我が家は果物や野菜類がとても好きなのだ。
ただし其れを高いカネを出して買わぬのだ。
果物なんぞはどうせすぐに消化されて仕舞ふので其処は合理的に捉へ安くてしかも美味ひものだけを探し求めて来ておるのだ。

さうして其のことこそが幸せ♡なのだ。


何故か?

其れが食わなくても死にゃあしなひものなのだから。


食わなくても死にゃあしなひものなのをあへて食ふと云ふところでの、其の観念的な満足感に充たされると云ふことなのだらう。

或は其処では決まって感覚を擽られやう。

果実には香りや特有の味わひがあるので感度の高ひ方々には元々相性が良ひのであらう。



仏教三霊樹
アソカノキ(無憂樹)
インドボダイジュ(インド菩提樹)
サラノキ(沙羅双樹)

仏教五木
アソカノキ(無憂樹)
インドボダイジュ(インド菩提樹)
サラノキ(沙羅双樹)
マンゴー(菴羅)
エンジュ(槐)