それにしても一体どこに満足感をみいだせるというのだろうか、此の社会に?
つまり、これは嘘の世論調査なのではなかろうか。
第一此のヤフーの統計では世の中に全然満足など出来ない、いやそれどころかむしろクソッタレだ、クソ社会だバカ社会だ、サイテーの社会だ、と皆様事実思って居なさることが示されてもいよう。
即ちどこかで統計が操作されて居る。
然しそれではもう立派な犯罪だ、全体主義としての抑圧構造の成立だ。
実際には搾取に搾取を重ねる社会であるというのに、さも良き社会、善良で慈愛に充ちた高等な社会だと如何にも言いたげなのだ。
搾取即ちピンハネにて自分達だけが私腹を肥やし高級クラブへ行き大酒を飲み女を買い自分の子を良い学校に入れ貧乏な労働者などもうまるでどうでも良いのだ。
すると嗚呼、なる程そうか矢張り世の中に左翼思想は是非必要であった。
久し振りにまさに久し振りに其のことに気付かされし我である。
さて矛盾を抱えて進む社会の行き着く先は精神の墓場である。
特に近代以降の文明社会がまさしく其の墓場への離陸であり滑空なのである。
其の社会の矛盾に対する唯一の対抗策がかって革命の思想であった。
即ち帝国主義的な展開を、其処に於ける搾取の構造を決して許さず、精神の潔癖性の発露としてのあるべき理想の社会を示す。
コレが何かと高圧的な帝国主義国と何かとルーズな資本主義に対する反権威であり反動の現れでもある平等の思想が世界を救う筈であった。
帝国主義による圧政と搾取による貧困に苦しむ多くの人民がまさに革命により救われる筈であった。
たとえば経済規模や文化や民族の違いなどにより搾取される対象の国となってはならない。
このことは日本人にはなかなかピンと来ないことなのだがかって中米や南米の国々では事情が違っていたのである。
即ち米国による帝国主義的搾取が堂々とこれらの国に対して行われ多くの人々が貧しさに喘いで居たのだ。
だが其処に元弁護士である革命家と医師である理想家が出遭うのである。
そうした経緯でかのキューバ革命は成就し其処に体制の転換が成った。
そして左派思想が掲げる理想論は理想論ではなくなったのだ。
かのキューバに於いて其の理想は確かに実現したのである。
革命家は此処でまずは正しいことを言って居られます。
革命ということは人間をしてあらゆる搾取から解放することでしょう。
尚其の搾取というのは近代の矛盾の中でも最大級の問題である。
しかも其の搾取により自己矛盾的に近代は成り立って居るのです。
即ち以前にも述べました如くに、資本主義に於ける経済成長や富の蓄積はすべからく此の周辺から中心への搾取構造により支えられて来たのである。
だから我我の富は、蓄財はつまりは銀行にある金は、皆この搾取構造により吸い上げられし血みどろの金である。
たとえ我我がどんなにクソ真面目に働いているにせよ資本主義国である日本の金など皆本当は全部血まみれなのだ。
だからアナタがどんなに此の金は此の金こそが善意と清い労働の成果だと主張しようがどうしようが、事実其の箪笥の中の金こそが第三世界を圧迫しのみならず脅しや血祭りでもってして築き上げたああ、嫌らしい、実に汚らしい金であることは明白である。
然しながらおお、見よ。
こんなところにこんなに潔癖な聖人様が潜んで居なさった。
こんなに清い心根をした「赤いキリスト」がかって此の世を生きて居たのだ。
此処では自発労働だの「新しい社会」だのゲバラの考えて居た理想論を支える概念が出て参りますが其れ等は今日でも決して色褪せては居ない思想である。
即ち共産主義体制自体が悪いのではなく其れを支える組織乃至は人間が腐敗することで理想論としての体制の潔癖性を保持出来なくなるのである。
嗚呼、わたくしは何だか急にゲバラのTシャツを着てみたくなって来た。
もう少し暖かくなったら、其れを買うつもりである。
然し其の前に是非彼を描いた映画のDVDを視てみたい。
理想に殉じた男の生き様を今一度其処に確認してみたい。