思わぬ掘り出し物としての赤茶の「ランプベルジェ」
さて自分は「必要以上に財を蓄え高級品に囲まれ暮らす」ことは良く無いことであるとさう認識して居る。
だが其れは所謂「コレクション」を否定して居るのでは無いのである。
どだいこんな腐ったと申すか価値認識が最初から倒錯した社會を現存在が生きるには「愉しみ」の方もまた大事なのだから。
だが其の「愉しみ」は「生もの」の方を極力避けむしろソコに「物質趣味」を貫くべきである。
なので所謂「美食」もまた「物質趣味」だが但し其処には生物の生死がまた関わっても來ることなのでむしろ其処には余り拘らぬ方が良い。
第壱食ったものは全て💩になり其の💩に高級と下級の区別などは無い。
どうせさうして💩まみれになるのが生物の宿命なので別に何を食おうが変わりはせぬ。
だが所謂「物」は生きては居ないものなので其の💩にはならずつまりは美しいものはずっと美しく醜いものはずっと醜い。
でもって無論のことわたくしは美しい物がとても好きなのである。
其れも美しい生ものよりも生きて居ない美しい物が兎に角好きな訳だ。
だから此の半世紀ばかりは其の美しい物の世界とずっと戯れて來たのだと言って良い。
でもって最終的に其の美しい物は峻別され所謂本物に近づくこととなるのだが實は其れが高価な物ばかりだとは言えぬのだ。
だからバンバン金を注ぎ込み高級品ばかりを揃えるのはむしろ自分に取って下等なタイプでの物の趣味のことなのだ。
要は限られた予算の中で目壱杯に物の趣味を完遂させることこそが高等なタイプでの物の趣味のことなのだから。
また特に我は石趣味にほとんど大金を注ぎ込んでは居ない。
何故なら万年筆趣味の方でこそ其の大金を注ぎ込んで居たのだから。
其れでもごくたまに五萬円程を石に使ったことなどもあった。
いずれにせよ其の💎や万年筆はほんに金食い虫である。
また自分は若い頃🚙其れもスポーティな🚙のファンで最終的にはポルシェ位は是非乗ってみたかった。
實は運転技術が並みの人間以上にありレーサー的な走りなども出来る。ー學生の時分より走り屋でヒールアンドトウやカウンターステアも壱通りこなすー
なんだが万年筆の趣味をやらんが為に其の🚙の方の趣味は諦めた。
第壱🚙は至極野蛮でもって危ない。
さうして結局は理性が勝り剣ー動ーの部分よりもペンー静ーの方を選んだ訳だ。
また本の方の趣味がまた半端では無く要するに名古屋丸善や千種正文館の御得意様にもなって居たのである。
そんな我は廿代の後半位から屡アンティークショップなどに通うやうになった。
また其の頃は兎に角其の種の御買物が趣味で常に百貨店などを訪れ色んな物ー其れも文房具に限るーを買って來ても居た。
だから四拾歳位迄に良い物はほぼ見尽くして來ても居る。
其れも世界中の良い物を見て來しかも良く知っても居る。
なのだが自分は所謂金持ちの御曹司なのでは無くだから何処かの銅鑼息子のやうにギャンブルやら👩やらに億の金を注ぎ込んだとかさう云う下品な趣味にはならずに済んで逆に良かったのだった。
なんですが兎に角物趣味に関しては相当に偏執的で且つ変態的ですらある。
要するにソコでこそストレスの解消をずっとして來て居るのだから。
また自分は筆記具コレクターなので世界中の筆記具に関しとりあえずは詳しい。
其れもアンティーク物にも強いところこそが自分のペン趣味としての特徴である。
なのだが今日は別に其の万年筆の話をするのでは無い。
本日其の「物趣味」の上で壱つ事件があったので其のことに就き是非語りたいだけのことだ。
ケイピース(@keipese) • Instagram写真と動画
さて本日石油ストーヴに使う手押しポンプを中作商店にて求めたが大通りを挟んで反対側には其の「ケイピース」がある。
ー石油ストーヴに使う手押しポンプの吟味選択はなかなかに難しく満足され得るポンプは此の店にしか無いと來てる。しかもドラッグストアにて売ってる手押しポンプは作りが悪くすぐにポンプ部が破れ使い物にならなくなる。常に物に厳しい我はそんなもんを製品だとはまるで認めては居ない。ー
また政治や思想なども要するに其の「本物」がまず何処にも無い。
だから自分の頭の中身をこそ「本物化」して行くより他は無い。
其の「ケイピース」は所謂リサイクルショップではあれむしろ半分位は古い品があり實は「掘り出し物」の宝庫なのでもまたある。
此処へ頻繁に通って居た七~五年程前は色色と良い物を見つけ購入して來て居る。
1.漆塗りの文箱
2.島桑製の小箪笥
其のやうに要するに自分の場合は決まって文房具関連での物となるが要するに「安くて良い古い御品」を得る点では骨董屋等が無論のこと良い訳だ。
また其の「ケイピース」もまた半分位は謂わばそんな骨董店なのである。
ちなみに我が家は母が茶華道の専門家なので其れこそ茶碗などの良い物もまたあり其れを見ても來て居る我は其れこそ自然と「審美眼」の方が磨かれて居る訳だ。
なのだけれども自分に限ればどちらかと言えば所謂「西洋骨董」の方に強い。
其れも筆記具関連では強いと云うことである。
だけれども筆や硯等に関してもとりあえずは関心があり且つ知識の方もまた仕込んである。
要するに「書く道具」の方に関してセミプロ級の知識を備える人間な訳だ。
で、其の「ケイピース」の店内を壱巡りすると其処に気になる「西洋物」があったのだった。
何でそんなリサイクル・ショップにそんな物があるかと云うに要するに此の店から道路を挟んで北側は瑞穂区としての高級住宅街となるからおそらくはそちらの方から「高級品」が出て來るのであらう。
なので最終的には此の店は立地条件に恵まれて居るのである。
だから時折すっげえ高級品が出たりもまたするのである。
なんですが最近は兎に角金欠気味なので行ってませんでしたが本日に限り何故かフラフラと此の店に惹き付けられ最終的には其の「気になる御品」を買って仕舞いました。
其れも千五百円キッカリでした。
其れは要するにガラス製のランプです。
なんですが本物のランプとはまた違い所謂香水瓶やインク壺のやうでもまたある。
無論のこと我が目論見とはむしろそちらでの用途にこそあり要するにインクの瓶として其れを求めてみたのでした。
ところがとても作りが良くつまりは物が良い。
また其の色合いがガラス器には珍しく赤茶である。
形は底部の方が面取りされて居て要するにかのバカラの古いインク瓶のやうにもまたなって居る。
バカラ プティ・パレ コレクション インク壺「エミール・ゾラ」 - CRAFTS DESIGN (craftsdgn.com)
19th Century Baccarat Crystal Inkwell with Elaborate Sterling Silver Top | Chairish
其のバカラ製のインク瓶こそが我が文房具趣味としての見果てぬ夢のやうなものだが結局は未だ得られて居ない。
何故なら自分の文具趣味は金持ちの成金趣味とはまた違うものなので…。
わたくしの文具趣味はあくまで最終的には「理性を磨かんとする」趣味ですので要するにそんなもんよりはより御上品なのだ。
其の代わりに拾年程前でしたか、おそらくは戦前の八角形のデカいインク瓶をイーベイにて手に入れ其れを兎に角毎日使い込んで居ります。
まあ兎に角其のガラス物が好きで要するに飾りにもなるから好きでまたデカいガラス物は分厚いのでたとえ机から落としたにせよ割れないんです。
またガレとかドームとかも勿論大好きですが無論のことまるで持っては居りません。
ですが昔は良く名古屋三越だの松坂屋などにて鑑賞して参りました。
ガレとかドームとかも以前は何度か語って居りますが社會がより悪くなった昨今はそんな藝術的な語りがまるで出来なくなり實は正直モヤモヤとさえして居ります。
で、其の御品がなんか臭いー香水臭いーので家に帰ってから丹念に洗って居りました。
ところがミューズ石鹸を付け歯ブラシでこすり洗っても臭いんです。
「しかしながらランプの燃料ってこんなに臭いのかなあ?」
其れでもって御品の下側にシールが貼ってあり其れを虫メガネで視ますと、
「RAMPE BERGER」
ランペバーガー?
ひょっとしてどっかのバーガー屋の粗品なのかな?
ところが其れをネットで調べたところ何と御仏蘭西の高級ブランドの御品だったのです。
ランプベルジェの歴史|アロマランプ専門店 ノエル (noel-lamp.jp)
何と其の「ランプベルジェ」は19世紀末即ち世紀末ー我が文學の専門分野ーに創業された「アロマランプ」の専門店でした!
此のやうに仏蘭西文化を代表する「由緒ある」御品であった訳だ。
思うに其の仏蘭西人は余り風呂へ入らず結構臭いんでせう。
だからかの御仏蘭西にて香水が古より多く創られたのは其の獣臭い匂いを消す為のことだったでせう。
また仏蘭西はかって便所の事情なども滅茶苦茶で即ちかのヴェルサイユ宮殿にて貴婦人等が屡庭の隅の陰にてションベンして居たさうですからそんなもんが「文明國だと威張るな!」とさう言いたくもなりますわ。
アンティークガラス ランプショップノエル (noel-lamp.jp)
きゃあああああー何だ此の値段の高さは!
ランプベルジェ アロマランプ アンティーク AG-024 アンティークガラス ランプショップノエル (noel-lamp.jp)
こんな段付きと申すか角がある個性的な御品が好みです。
ー今回得た品に其の色と形が少し似て居るのがまさしく此の御品であるー
要するにアンティーク物は頗る高価でありかうして簡単には得られぬ品となる。
ガラスランプ ランプショップノエル (noel-lamp.jp)
其の本日得た赤茶の「ランプベルジェ」は其の上部のカヴァーの処のデザインがこちらと同じなので現代物なのだらう。
だけれども兎に角作りが重厚でしかも現代物にしてはどうやら古さの方もまたあるやうだ。
其れにしても其の千五百円は如何にも安いでせう。
尚其の赤茶の「ランプベルジェ」の横に黄緑色の「ランプベルジェ」もまた置いてあった。
色はそちらの方が好きだが形がそちらは丸っこい。
自分は左様に丸っこいものには興味が無くつまりは學生帽ならば「角帽」、またチョッコレートなどはなるべくごつい板チョコが好きでつまりは軟派なのが嫌いである。
そんな訳で本日はまた思わぬ掘り出し物を得たのだった。ーさうして壱度洗ったが其れでもまだ臭いので現在も洗剤の中に浸してあるー
さて其んな小さな発掘こそが庶民に取っての生きる上での樂しみで無くて何であらう?
ちなみに其の赤茶の「ランプベルジェ」はインク瓶としても何とか使えさうだ。