「銘木万年筆」と「蒔絵万年筆」ー手作り万年筆と吉田 久斎作の「鳳凰」の世界ー
さて本日わたくしは机上にどんなペンを出し且つ其れを使って居るのか?
とりあえず改造ボールペン×弐と手作り万年筆×弐とが置かれたった今其れ等を使いつつかうしてキーボードを叩いて居る。
手作り万年筆×弐とは以前萬佳さんより求めたマック・ミントゥ氏による作品となる。
つまりは其れが所謂銘木万年筆です。
まさに此の弐本である。
概括的に申せば其の「手作りペン」にはそも価値があります。
また世界には現状でそんな「手作りペン」が溢れて居る。
そんな「手作りペン」には筆記具メーカーが出す「銘木万年筆」などよりも安価でしかもレヴェルの高い物が比較的多い。
筆記具メーカーが出す「銘木万年筆」はむしろ「ハイエンド」な価格設定がされて居り要するに常に五萬、拾萬での世界のものとなる。
ですが其処にはメーカーサイドの癖などがまた出るので必ずしも「作家物」よりも上だとは申せません。
なのではあれ「手作りペン」はまさに「玉石混交」の世界となるが故に難しいと言えば難しくされど経験上「手作りペン」の価値は低価格帯ー壱萬以下の品ーにて頗る高いものがあるものと言える。
「銘木万年筆」は此処🗾ではメーカー物であるかまた作家物に限らず兎に角高価です。
ですがヴェトナム人作家による此れ等の作品は概ね五千円内外です。ー其れもオークション価格でー
其の作りの精度は大變宜しい。
但し、
1.金ペン先では無い
2.製作思想に癖はある
ので其れが合うかどうかは使う人次第です。
ちなみにあくまでわたくしの場合此れ等は〇です。
むしろ其処に🗾の「銘木万年筆」以上の価値を見出すに至った。
元元自分は余り日本人っぽくは無いのか兎に角何でも拡げて見る即ち世界規模で何かを探して行く癖がありますのでこんなものが何時の間にか引き寄せられて來るのです。
まあ兎に角此れ等のペンを得られて良かった。
ですがまだ使って居ない東南亜細亜や東亜細亜製の「銘木万年筆」が有るのです。
また🗾製の「銘木万年筆」やさらに伊太利亜オマス社製の「銘木万年筆」もまた愛用し且つ保管して居ります。
要するに「銘木万年筆」や「銘木ボールペン」などの数を多く持って居る。
さらに自作の「銘木ペン」の類もまた有る。
さうすると次第に訳が分からなくもなるがでもまあ愛好家であり蒐集家とは常にそんなものなのだらう。
そんな「銘木ペン」もまた例えば大地震でもって家が潰れたりまた家が燃えますれば全部消えて仕舞いませう。
其のやうに「物質」とはそんな儚いものでもまたありませうが自分はもはやある意味で「観念を突き詰めた」御仁ですのでむしろ「観念の儚さ」に就き良く知って居る訳で其れでもってあえて其の「具象的現象」の方に擦り寄って行くのである。
さうして「銘木ペン」が全部消えれば後はもう自分の爪が筆記具となりおおまさに其れにてわたくしは「わたくしの文學」を其処に書き記して行くことであらう。
嗚呼こんな作家はどうしてもまた作家でしか無く其の様や實に困ったもんですがまさに其れが性なのだとも言えまたそんな性とはかの紫 式部の頃より連綿として受け継がれて居るであらう壱つの人間としての性質なのだ。
嗚呼かのトルストイは何故全てに絶望しあんな駅舎にて野垂れ死んだのか?
其れは此の世がそも惡いからなのだ。
曰く「惡の巣窟」である此の世の様よ。
「文學」と「物語り」をゴタマゼにすると實に読みにくい。
さうでしたか、其れはどうも御免なさい。
そも「文學」と「物語り」は違うものでせう?
確かに違って居ます。
つい耄碌して其のことを忘れて居りました。
尚「銘木手作りペン」の価値とは其の半分位が「自然」其のものの価値である。
兎に角自分は「銘木手作りペン」や「鉱物標本」などで常に「自然」其のものの価値と戯れて居ることが多い。
「自然」其のものの価値と戯れて居ることはむしろ「文化」以前での感覚的な営為であるやうに最近はさう思われて來た。
「文化」とは北山であれ東山文化であれまたかの清 少納言にせよまた鴨 長明にせよ北斎にせよ其れは木其のものの触感や香りを離れ最終的には「人間」をこそ表現して行くものなのではなからうか。
故に「文化」と「物そのもの」は似て非なるものでありこと自分に限れば現在関心があるのはあくまで「物そのもの」の方なのだ。
其の「物」はやがて消え去るものだがむしろ其れは己としての観念よりも長生きするものなのだ。
まあさう燃えたりしなければ人間などよりずっと長生きするのである。
故に自分が使う百年以上前の米國の萬年筆などは当時其れを持って居た人が皆とっくに死んで居るのである。
さうか、ではたった今自分が使うペンは實は自分よりもずっと長生きだったのだ!
おお怖ろしいことにまた気付いて仕舞った。
でもそんなことを考えつつペンを使う人間は多分世界で僕壱人なのかもしれない。
3.ペン先を金ペン先に交換し今は此れ等を使う
4.円筒型のモデルはキャップが尻に嵌まらぬので何とか其れを嵌まるやうにしたい
さう金ペン先に交換する場合にペン芯との相性がありなかなか難しくなるのでペン芯ごと交換する方が良い場合などがある。
さらに出來得れば現代のプラ製ペン芯よりも印度製のエボナイトペン芯に替える方がインクの出方がより良くなることが多い。
左様に万年筆の世界はすでに「過去形化」されて居り要するに「良い物」は「過去」にしか無いのである。
其れでも比較的職人物ー手作り万年筆ーなどには良い物が得られ易いが其れでもペン芯とペン先が現代物となるが故にまたどうしても「本格性」の部分が落ちて仕舞う。
だったら御大層に威張る大メーカーの「高級銘木万年筆」と「安めでもってほとんど威張らぬ東南亜細亜か又は東亜細亜の手作り銘木万年筆」の価値は實はほとんど同じでしか無い。
よって後は使用者が其のどちらを選ぶかとの「選択」の問題となる。
故に自分は大メーカーの「高級銘木万年筆」などはまさか選んでやらないのだ。
但し以前は其れも選んで居たので例えば「オマス社製の高級銘木万年筆」が何本かは有るのだけれども。
左様に兎に角「威張る価値」程所謂「虚としての価値」となる。
まさに其のことをあえて宗教的に申せば、
「偽善的な銘木万年筆」であるか其れとも「ストレートに眞理へと直結する銘木万年筆」であるかとの違いの部分となる。
「ストレートに眞理へと直結する銘木万年筆」の場合はまず余分に分厚い塗装などが施されて居ない。
故に常に「木」其のものと對話する感じがするものだ。
また余分に重くは無い。
ソコを大メーカーが作ると何故か倍程も重くなって仕舞う。
其れはそも何故だ?
何故なら大メーカーはそも色んなものに雁字搦めなのだ。
だから最近はそんな日本の大企業の仕出かす不祥事で世が騒がされても居らう。
どだいワシが使うPCは此処拾年程其の富士通製である。
しかも富士通からの直買いでもって少しは安くもなっておる。
そんな日本の大企業なんぞはもうダメだ皆潰れろ!
だが職人が潰れては儂のやうな高等な蒐集家がまずは何よりも困る。
「廃業する人出ても仕方ない」焼けた輪島塗店、売り場は白黒の世界に (msn.com)
うわああー、コレは困ったぞ。
さう言えば輪島はまさに其の漆塗りの壱大生産地ではないか!
Yahoo!オークション - パイロット万年筆 吉田久斎 蒔絵 鳳凰 PILOT 18K...
Yahoo!オークション - 美品 限定千本 パイロット 国光会吉田久斎作 上...
ほれ、此のやうに吉田 久斎の「鳳凰」などは最高の蒔絵万年筆なのだ。
其の吉田 久斎作の「鳳凰」を持って居ない万年筆愛好家は其れ即ちモグリであり本当の蒐集家だとはまさか言えん。
其れも儂などは此の品を得んが為に凡そ弐拾年程を要した。
此の御品は其れも長く東区の三光堂に置かれて居たが最終的に其れは得られず拾年程前にヤフオクにて其れを得た。
其の三光堂を屡訪れたのは多分九十年代後半の頃だったかと思う。
何故遠く離れた三光堂を知ったかと言えば昔教材を学校へ納めるバイトをして居たことがあり其の折に此の店を訪れたので覚えて居たのである。
尚其の教材屋には東京へ出俳優になる前の森本レオ - Wikipedia氏が居たさうであるが現在コイツは下半身ネタで評判を落として居りつまりは異常に性欲が強くあったやうである。ーアノ語り口自體は何故か大好きでしたがー
東区の万年筆/文具店・三光堂migmemo | migmemo
名古屋に行ったら、この店に行け。万年筆の三光堂。: あたぼうが感じる文房具業界 (way-nifty.com)
三光堂オリジナルインク「鶴舞ブルー」~濃淡で深い味わいを感じよう~ - 『本と文房具とスグレモノ』 (fumihiro1192.com)
兎に角此処はナゴヤ北部での老舗文具店であり万年筆の取り扱い店であった。
当時は高額な限定万年筆が取り揃えられて居りこの店へ行く時は結構樂しみであった。
尚どちらかと言えばナゴヤも南部となるとまさにグチャグチャでゴチャゴチャな古い雑貨屋的な文房具店が多く勿論ソコにはそんな高級な限定万年筆があらう筈も無い。
だが今思えばむしろ其のグチャグチャでゴチャゴチャなところからこそむしろヤバいもんが出て來たのであって事實中川区のはずれの腐ったやうな古い文具店で何と丸善の大正時代位のインクボトルー未使用のーを其れも参本も発掘ししかも其れをタダにて貰って來たのであった。
其の後ナゴヤ丸善に其のうちの壱本を寄贈したところ大層喜ばれ其の後拾年程だったか丸善の店舗の万年筆売り場に其れが飾られて居たのである。
だが其の折に是非寄贈者の名前を付けて貰いたかった。
そんな訳で自分に取ってアノ丸善でさえまさに自分の家の中の如きものでだから値引きしろとか壱番良い品を出せだとかもう言いたい放題でもって兎に角弐週間に壱度は万年筆売り場に顔を出ししかも此のペンはかうなんだとさう店員さん達に講釈を垂れるのである。
嗚呼まさに其の頃こそが我が万年筆人生の全盛期であったことよ!
(株)三光堂/破産手続き開始決定 <名古屋市> - 小口倒産・破産開始-政治経済・時事・倒産情報 | JC-NET(ジェイシーネット) (n-seikei.jp)
そんな三光堂も残念ながらついに潰れたやうだ。
工芸館企画展 「万年筆という小宇宙」 | ニュース | プログラム | 石川県立伝統産業工芸館 (ishikawa-densankan.jp)
しかしながらコレは凄い!!!
故に「蒔絵万年筆」が潰れては困る。
因みに昨年わたくしが得た「理想の萬年筆」とは巨大なる其の「蒔絵万年筆」だったのだ。
其れも「絵柄」が描かれた蒔絵なのでは無く要するに簡素に柄が赤に浮き出る「柄物」での御品である。
思うに蒔絵万年筆には弐種が有る。
5.観賞用の品
6.實用の品
共に価値がありどちらが上だと言うことでは無い。
但し5.の方が概して高額な御品となる。
例えば吉田 久斎作の「鳳凰」などはあくまで使わずに観賞する物である。
對して使う品は蒔絵が簡素である方がより使い易い。
國光會|Namikiについて|蒔絵万年筆 | Namiki - ナミキ (pilot-namiki.com)
伝統を受け継いだ、至高の蒔絵万年筆「NAMIKI」|文具のことなら渡敬文具館 (watakei.co.jp)
さりとて自分は其の「蒔絵万年筆」専門の蒐集家では無く只の愛好者である。
弐拾年程前に当時の掲示板のハンドルネームでtenmaさんと仰る東京の蒔絵万年筆愛好家の方と知り合い様様な品をメールにて見せて頂いたりもして居る。
其れこそ日本のみならず東南亜細亜から米國迄様様な國で「蒔絵万年筆」が作られしかも売られて居たのだった。
しかも其の値段が「限定万年筆」以上に高い物が其処に多くあった覚えがある。
おおまさに其の「蒔絵万年筆」趣味こそが紛うこと無き万年筆の上での高級趣味で無くて何であらう?
しかも「蒔絵万年筆」は「保管」するだけでは無くあくまで「使える」物なのだ。
だが使う場合に限り余り絵柄が華美ですと逆に扱い辛くなるので、
7.黑か朱漆のみの物
8.黑か朱漆に簡素な柄が浮き出る物
などが扱い易くもなるのである。
Yahoo!オークション - パイロット万年筆 吉田久斎 蒔絵 鳳凰 PILOT 18K...
因みに此の値段は意外と安い。
以前はもっと高価であり件の三光堂では確か廿萬程の値が付いて居た筈である。
兎に角PilotやNamikiなどでは黄銅製の重い軸となる前の「蒔絵万年筆」の方が良い。
自分はかってPilotの螺鈿貼りの素晴らしい品を持って居たが軸が黄銅ベースで重いが故にイーベイにて海外ー欧羅巴ーへ売り払っても居る。
だから此の吉田 久斎作の「鳳凰」は是非御勧めとなる。
尚🗾人其れも毛筆をも扱えるであらうよりコアな筆記人は「重い」海外の限定万年筆を嫌う人が多いことだらう。
自分等もまた毛筆を扱うことが可能なので本質的には「軽い」筆記具の方が好きなのだ。
ところが現行の万年筆は九拾年代辺りよりむしろ「重量化」して行き其れこそ「限定万年筆」などもまたクソ重い筆が何故か増えて行ったのだった。
だがわたくしは其れは「現代の筆記思想の誤り」としてまさにそんな風潮を壱刀両断して居たのである。
其の九拾年代頃より次第に國産万年筆も「重量化」して行ったやうでよって現行の諸モデルよりも当時の🖋の方が簡素且つ軽量であることが多い。
實を言えば万年筆の堕落振りは何よりかうして「万年筆としての本質的な要件」の部分にこそ出易いのだ。
其れ即ち、
9.其の重さ
10.其の値段
の部分にこそ出て來易い。
「万年筆としての本質的な要件がすでに腐ってる」
とさう僕などはいつも思うのであるが其れを言うと若い愛好家の方方が御怒りになるが故になかなか言えないのですがでも最終的にはわたくしに限りさうズバリと言っちゃうのです。
まあ僕はね、兎に角こんな天邪鬼であり如何にも口の惡い人ですのでね、ま、ソコは是非割り引いて見て頂けたらと思いますのですよ。
まあーしかし、現行の腐った万年筆に拾五萬、廿萬を払う位なら其のヤフオクに出てる吉田 久斎作の「鳳凰」をこそ得て置くべきだらう。
またほんたうはボクも其れが欲しいがすでに高齢者でもって金が無いのでアナタの為に残してあげて居るのです。
11.現行の文明は惡い
まあ何せ其の文明のあり方がそも惡いので万年筆の方も自然と惡くもなりませう。
だから昔の萬年筆をこそむしろ集めて行くべきです。
ところがボールペンに限りむしろ今の物の方が良い。
まさにソコは不思議なことであるがほんたうのことなのです。
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あ、コレ、確かに昔持って居たが兎に角重くてダメな万年筆でした。
ですが何故こんなに今値段が高いのだらうか?
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此れも惡くはないですがどう考えても吉田 久斎作の「鳳凰」の方が上でせう。
出ました!
ついにダンヒル・ナミキブランドでの久斎作品が。
だが「鳳凰」の方があくまで個人的には好きですね。
凄い!の壱言です。
が、あくまで価格の高さ=高級さ、でも無く且つブランド力=高級さ、なのでも無い。
わたくしに限りあくまで哲學的にさう申して置きませう。