人間関係の上でのよりdeepな試練に就いてー徳川家康 (NHK大河ドラマ) より學ぶ「耐える」力ー
さてわたくしが嵌まりに嵌まりこんだ徳川家康 (NHK大河ドラマ) - Wikipediaですが、其れがもう大變にdeepな人間関係の上での展開へとさしかかり丁度辟易しつつ其れを眺めておるところです。
つまりは余りに濃くさうしてくどい人間関係の上での展開です。
わたくしは元よりさう云うのが大嫌いなのですが半面弐面性のある性格故に其のドロドロでぐちゃぐちゃな人間心理の絡み合いのやうなところが實は案外好きなのでもまたある。
尚此のドラマで家康公を演じて居るのが滝田栄 - Wikipedia氏であり此の方は兎に角眞面目系の俳優さんでせう。
またつまりはかの加藤剛 - Wikipedia氏にも何処か似た何だか知らんが眞面目な部分が感ぜられる好きな俳優さんの壱人である。
事實今滝田 栄氏は佛像彫刻家としても知られて居るのださうです。
無論のこと其の佛像彫刻家なんぞは眞面目な人しかやらぬものです。
さて問題は何故そんなドロドロの人間関係が其処に生まれるかと云うことですが其れはまず松平 信康の生母である築山殿の惡い性格にこそあった訳です。
- 「生得悪質、嫉妬深き御人也」(『玉輿記』)。
- 「無数の悪質、嫉妬深き婦人也」(『柳営婦人伝』)。
- 「其心、偏僻邪佞にして嫉妬の害甚し」(『武徳編年集成』)。
- 「凶悍にてもの妬み深くましまし」(『改正三河後風土記』、唐人医師の減敬と密通していたとされる。)ー築山殿 #後世成立史料における評価 - Wikipediaより
左様に此の人は所謂惡い👩でした。
其のやうにそも性格が惡いので、滝田 栄氏が演じる眞面目な家康公との心理的な対比がまた凄くあります。
但し昔ー40年前ーの大河ドラマであり従って滝田 栄氏の演技もまた単純に眞面目壱本槍なのではなく其処では特に「苦悩」が表現されて居てまさにソコがdeepな世界のものとなって居る。
實際に今少し軽めの大河ドラマかとさう思いつつ視て居たら余りに濃い目の其れもまるで三河産の八丁味噌の如くに濃い味付けですので其れが癖になるとでも申しますか要するにグイグイと其処に惹き付けられて仕舞うのです。
でもって矢張りと言うべきか昔の役者さんは皆演技が良く出來て居りつまりは「眞に迫る何か」を其処に表現し尽くして居るやうに思われる。
ちなみに其の40年程前自分はまだ廿代の前半であり大河ドラマの類には興味が無くよって此の徳川家康 (NHK大河ドラマ) を視た覚えなどはありません。
従って今初めて此の大河ドラマを視て居るのです。
【徳川家最大のタブー】家康の生涯最悪の決断「信康事件」の真相 | 歴人マガジン (rekijin.com)
徳川信康事件の真相をわかりやすく解説!嫁「五徳姫」が黒幕だった? | 歴史専門サイト「レキシル」 (rekishiru.site)
つまりは此のやうに家康公に取り「最高にヤバい事件」が此の「信康自刃事件」であり「築山殿殺害事件」だった訳です。
またドラマでは其の経緯が至極細かく描かれ後に天下人となる家康公の苦悩がもうこれでもかと云う程に描かれて行くのです。
なる程、天下人とはむしろ此のやうに實存に取りより大きな「苦悩」を潜り抜けた人にのみ与えられる称号のことなのだ。
とさうも納得されるやうな「ヤバさ」の連続です。
尚、現代文明はたった今さらにヤバい状況に陥りつつある。
なのでどちらがヤバいのかと言えばむしろ今の方がよりヤバさうです。
まあ兎に角其のやうな意味での「ヤバさ」に對する耐性をまさに此の大河ドラマが授けて呉れるのではなからうか。
其の現代文明で壱番ヤバいのはズバリ「全體主義」の部分ですが家康公の苦悩の場合には別に其の全體主義とはなって居ません。
其の代わりに其のドロドロの愛憎劇がつまりは血縁関係の上での骨肉の争いの部分が逃れられない「苦悩」を生むのです。
其の「苦悩」は現存在に取りむしろ必要不可欠なものであり其れはおそらく時代を超越して人間に与えられる「試練」其のものである。
其の「試練」には大小の差はあれ質的には皆同じ「苦悩」である。
特に此の場合のやうに「惡い👩」が其処に絡むと兎に角話がドロドロと化す。
かって天下人の方方は「太平の世」を實現せんが為に其の「試練」に耐えつつ「苦悩」を頑張った訳です。
現代文明もまた「樂園」を實現せんが為に其の「試練」に耐えつつ「苦悩」を頑張った訳です。
では無く、あくまで現代文明の場合は「樂園」を實現せんが為により樂をしちゃいました。
つまるところ現代文明に必要なのはむしろ其の「苦悩」する力のことなのです。
「苦悩」する力=「純文學」の力、でせう。
いや「純文學」には限らずまさに其のドロドロでぐちゃぐちゃの人間関係に耐える力のことでせう。