本日詩人はつい先ほどまで京うちわが是非ひとつ欲しいなとさう思って居た。
其れはEテレの例のヴェニシアさんの番組でやって居たものだな?
うわあ、何て美しいのだらう。
こんなもので扇ぐかまた鑑賞したりすれば此のクソ暑い日本の夏もスッカリパラダイスとなり得るのではないか!
だがどうにも値段が高くまるで手が出ぬ。
但しヤフオクにて千円でもって中古品が出て居た。
が、どうも取引をすること自体が面倒だ。
實は面倒なことをして居る時間其のものが無い。
兎に角色々と家のことをやらねばならぬので。
ですが筆記具の改造にはまた嵌って仕舞い先程もまた竹ボールペンを壱本作って仕舞った。
果たしてソレはどんなものなので?
例の筆の軸のボールペンですか。
いやさうでは無い。
まさに其れはコレを使った改造ボールペンだ。
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かうして幾らでもアマゾンで買えるのが竹軸の安い万年筆だ。
ところが此の品が凄く良いのである。
元々細身でもって長いペンが好きな私は此の種のものを此れ迄に五本位は得て来て居る。
だが拾年前位までは此の種のペンは大抵品質が悪くすぐに壊れたりもしたものだった。
其れで此の弐年程の間に弐本を求め評価してみることとした。
すると其れ等が非常に品質の良いペンであることが分かったのだ。
此のペンは中國製だったか、其れとも東南亜細亜製だったか、兎に角亜細亜のペンである。
其の竹の扱いの上手い亜細亜の國の産なのでどうも出来栄えが良いのであらう。
だから安いからと言って馬鹿になどしてはならぬのだ。
どんなものでもさうだが此の世に於いてバカにし得るものなどは無く且つ眞に尊敬に値するものなども同様に無い。
他方で私は以前から変わった形ー鼓型ーの銘木ボールペンを持って居て其れは地元日進町の工房でもって作られたものを拾年程前に百貨店で求めたものである。
其の銘木ボールペンの首軸金具を見て居たところ、何となく其れが竹万年筆の軸に嵌りそうな気がしたのである。
其れは所謂筆記具に於ける私の直感なのだ。
さういうのはまず百%当たることが多い。
でもって其の首軸を竹万年筆の軸に嵌めてみると思った通りに其れが完全に嵌った。
尤もリフィルの長さまでは合わぬ訳で其処はスペーサーを入れることで対処する。
イザ書いてみると其の竹軸のボールペンが素晴らしく書き易い訳だ。
元々東洋の言語であり漢字文化圏に属する日本語であるから本来ならばさうした竹の軸の筆記具の方が書き易くもなるのだらう。
で、余った万年筆の首軸の方を鼓型の軸の方へ付け替える。
するとこちらの方も完全に嵌りむしろ書き易くなった。
非常に簡単なことなのだけれども先入観があると其処に邪魔され其の種の自己流の改善のやうなものへは至れぬものである。
然し私は今長きに亘る筆記具との付き合いによりむしろ其れを自由自在に為せるやうになったのだった。
まさに其れがひとつの不思議なこと、全くの不可思議な境地だとさう述べて居るのである。
さうかうするうちに此の雨の中をヤフオクにて落した銘木 三角 ボールペン ウォルナットが届いた。
何しろ其の雨の降り方が昔ー弐、参拾年程前ーとは異なりヒステリックなものともなって居る。
まさに盆を覆したかのやうな降り方なので其れこそアッと云う間に道路が冠水したりもする。
大分のWANCHERさんには昔ー廿年位前から拾年程前までー大変お世話になり其処では主に中國の万年筆の魅力に就き開眼させて頂いたのだと言える。
中國の万年筆、特にかっての英雄の万年筆を私は萬佳さんから多く求めて居たのだった。
其の中國の万年筆は欧米の万年筆、特に独逸のモンブランやペリカンのやうな精度には欠けた部分があったがまた其れ等とは違う魅力を秘めて居たのである。
また其のことは時間が経つうちにより顕著になって来た部分である。
モンブランやペリカンが持つ精度があり所謂モノが良いとされる部分とは違う其の中國の万年筆の魅力とは一体何なのか?
結局其れは手作り品の良さ、合理化など為されては居ない感性の部分に訴えて来る要素があり其れがおそらくは我の心を掴んだのであらう。
但し中國の万年筆は一般に其の寿命が短い。
どうも其れは軸の方の作りの悪さ乃至は雑さに由来するものなのかもしれない。
だが結局は其れも使い方ひとつで変わるものなのだ。
其れに所謂コスト・パフォーマンスに優れるのは中國の万年筆であり且つ印度の万年筆である。
欧米圏と其の欧米圏との価値観を共有する日本の万年筆の値段は21世紀となると特に高級品に於いて顕著に上がり現在は大体拾万程は出さぬと高級品は得られなくなって居る。
ところが其の所謂高級品が皆高級な品であるかと言えば意外とさうでは無いのである。
其れは現代の高級万年筆がまさに合理化ー省手間化ーされて居り筆記感や個性的な外観などの感性にて把握される部分が意外となって居ないからなのである。
またペン先、万年筆の金ペン先はかっては鍛造、鍛金することで作られて居たのだったが現在は制作工程の合理化によるものなのだらう、機械による鍛えが若干施されるのみで其れも酷いものによっては書いて居る途中でペン先が曲がって仕舞うものさえある位なのだ。
故に其のペン先に限ればむしろ戦前の物の方がモノとしては明らかに良くなる。
但し戦前のペン先を今フルに使う場合には様々なトラブルが生じ易いこともまた確かなことなのだ。
然し其処も半分位の確率でフル使用してもまだ何とも無い個体がある訳だ。
なのでいずれにせよ戦前の万年筆は取り扱いが難しくなりプロやまたセミプロとしての我我位の知識と経験が無いと扱えぬ代物となるのである。
ですが概ね現行の万年筆は無難なものとされ過ぎても居り其れに反比例し魅力が減じられて居る訳だ。
だから手作り万年筆だの限定万年筆だのとまさにあの手此の手で付加価値を付けて行く訳だが其の万年筆としての本質的性能に関しては矢張りどうあがいたにせよ戦前の万年筆の方が上であると個人的には見て居る。
で、手作り万年筆だの限定万年筆だのとなると大抵は値段が高くなって行く訳だ。
さうして何処かで必要以上に儲ける人達がーメーカーをも含めてー現代の万年筆を売る人々の中に居ることであらう。
要するに現在でも金さえ出せば良い万年筆を得られようが其れが得られる確率はむしろ大昔に比べ大幅に低くなりつつある訳だ。
話が違う方向へと進んで仕舞ったのでまたボールペンの話に戻します。
対してボールペンは所謂進歩を遂げ素晴らしいものになりつつあるのだと私は思う。
其の進歩を齎したものとは低粘度の油性インクを開発した日本の筆記具業界としての技術的な力である。
特に三菱鉛筆が開発したジェットストリーム (ボールペン) はボールペンによる筆記の世界にまさに革命を齎したのだと言える。
ちなみに昔からuniシリーズのファンだった私は当初より此の低粘度油性インク芯の書き心地の良さに気付いて居り従って発売当初より此れを使い続けむしろ最初から其れをベタ褒めして居た訳だった。
尚私は万年筆に限らずボールペンや芯ホルダー、鉛筆やシャープペンシルなどむしろ何でもござれの筆記具愛好家なのだ。
万年筆のコレクターには気難しい人が多く其れこそボールペンなど嫌いだと言う人がむしろ多いのだが其の点では私は気難しくは無く他の面で気難しいとも言い得ることだらう。
しかも私は万年筆のコレクターとしてはむしろdeep派で其れこそ人が見向きもせぬやうな百年以上前のアンティーク・ペンの世界をずっと標榜して来たにも関わらず。
従って私が制作する改造ボールペンには全て此のJET STREAMの低粘度油性芯が組み込まれて居る。
何故なら今でも其のJET STREAMの低粘度油性芯以上のものを使った試しは無いからなのだ。
さて銘木 三角 ボールペン ウォルナットの話に戻れば、此のボールペンに限り其のJET STREAMの低粘度油性芯が組み込まれては居ない。
其れには所謂パーカー規格の独逸製油性芯が入って居り其の書き心地はJET STREAMの低粘度油性芯程に軽くは無い。
されど決して悪くは無い書き心地である。
其れは決して昔ー弐、参拾年前ーのボールペンのやうに筆圧の要る重い書き心地なのでは無い。
然し私が此の銘木三角ボールペンを得るのは實は参本目なのだ。
で、壱本目の黒檀の軸のものはすでにJET STREAMの低粘度油性芯仕様へと改造してある。
尤も改造は少々手間がかかり難しいので其の方法はあえて述べないのだが。
WANCHERさんの銘木ボールペンは細身であるところも個人的に気に入ったところである。
細身のペンは今なかなか得難く、されども銘木ボールペンとしてのパトリオットタイプは概ね軸が太目なのでかうしたスッキリとしたシェイプのペンが欲しくなるものなのだが其れが何故か何処にも無い。
さうかうして居たところたまたまヤフオクにてかの懐かしい萬佳さんが何と銘木ボールペンを沢山出品されて居られるではないか。
しかも其の軸には何より個性があり私が好む多角形の軸即ち角軸だったのである。
其れには此の三角軸と六角軸とがある。
其の六角のタイプも壱本持って居るが三角の方がより個性的であり好きである。
さて画像のウォルナットの軸のものは今回初めて落札出来たのだったがモノと云うか出来が一番良いものであった。
まさに素晴らしい物なので或は弐、参本は持って置くべきものやもしれません。
ちなみに其の値段は送料込みで大体弐千円弱である。
新商品開発ストーリー JETSTREAM|プロジェクトについて|新卒採用情報 三菱鉛筆株式会社 (mpuni.co.jp)
JET STREAMの低粘度油性芯は兎に角モノが良くサラサラと樂に書ける。
筆記感で言えば其れはむしろ筆の方に近いもので要するに良く出来た万年筆並に力を入れずに書けるのである。
ところがパーカー規格即ち独逸のシュミットの芯の方も若干ネットリ度は増すものの實際素晴らしい書き心地なのだ。
此処からも矢張りと言うべきか其の技術力は日本と独逸の独壇場なのかもしれません。
只、其れーJET STREAMの低粘度油性芯ーを中國製の竹軸に組み込んでみたところ我にとり恐るべきペンとなって仕舞いつまりは最近やったペン改造の中では一番の結果を出して仕舞った訳だ。
だから物事は一体何が起こるものか分からぬものなのだ。
だが何があったにせよJET STREAMの低粘度油性芯こそは常に凄いのである。
またWANCHERさんの銘木ボールペンも魅力的で大変宜しいと個人的にはいつもさう思って居る訳だ。