目覚めよ!

文明批判と美と心の探求と

ディカプリオの博愛に涙す


ブラッド・ダイヤモンドと云ふ、かのディカプリオ主演で評価の高い作品をDVDにて視聴したが、此れは今プライム・ヴィデオの方でも視聴することが可能だ。
其れでは何故其の💎が血に染まって居るのかと云ふことであるが、どだい其れも超高価なダイヤモンドともなれば必然として其処には兎に角巨額な金や利権絡みでの領域が必然的に生じて来やう。

つまりは巨大な欲望のせめぎ合ふ世界とならう訳で其れは過分な欲や煩悩を抑へていかうとする聖なる世界観のこととはまるで正反対のことともならう。
ところが往々にして我我は其のやうな怖ろしい世界のことなどたとへ気付きたひと思ったにせよ気付けなひ。

何故なら社会は其のやうな汚れた部分を基に正常に機能してしていくものでもまたあるからなのだ。

即ち聖なる価値観の世界=宗教が提示する世界観と現実の世界の実情とは余りにもかけ離れて居る。
確かに此の世界は其のやうな矛盾に常に苛まれ続けて来た。

此の世界=社会は激しく矛盾して居りまさにキレイごとでは済まされぬ暗部、まさに闇の領域をも根深く持ち続けて居やう。

ただあくまで個人的には石趣味を其処まで掘り下げてやって来た訳ではなひ。

わたくしは単に美しひ石が好きなだけなのだ。

おそらくは平均的な男性よりは美に対する感度が生まれつき鋭ひことだらうからまさにさうして来ざるを得なかった。


其れも動物や植物は生きて居るものなので何かと世話が厄介なものだが石は生きては居ない分いつも同じで世話なども要らぬところがつまりは安定して居る。

元より死なれて悲しむことなどもなく、下手をするとじぶんよりも遥かに長生きー長期に亘り現象ーするものばかりなのでそんな一種の生自体を超越したところに惹かれつひ石マニアとなったのやもしれぬ。

そんな石マニアのわたくしでも石の世界の裏側、其の美しひものに纏わり付く棘のやうなもの、其の美しさの裏側に拡がる汚れた世界の内情に就ひてはほとんど知らぬ。

ただし知り合ひの宝石屋が一人居るから其の手の話を全く聞かなかった訳でも無ひのだが。





先にわたくしが💎のことを批判したのは、まさにさうした利権絡みでのまた大金絡みでの要素ー欲望の要素ーがダイヤモンドには付ひて回るからまずは其れを批判するつもりなのだった。

かようにダイヤモンドは他の宝石と比べ余りにも胡散臭くしかもキナ臭ひものなのだ。

だが我我には其のやうな内実は示さることはなく、よって我我はケッコンする場合などに必ずやかの💎を選び給料の三ヵ月分もの大金を支払ふ羽目に陥っておる。

だが其れは何処かおかしひぞとわたくしはさう述べただけのことなのだ。

給料の一カ月分でもダイヤ以外の宝石で綺麗なものは沢山あらうから其れで充分だと述べただけのことである。


其れにダイヤの価値の決め方はどうも胡散臭く第一ダイヤに色など付ひては居らず、色んな色が見えるのは其れは単なるカットの具合からのみだ。


ダイヤの価値をさう信じるな、と云ふことを云ひたかったばかりなのであり、さらに其処に付け加へ実はダイヤには血塗られし歴史さへもがあった。

まあ色々と恐怖の伝説がある訳で、問題は何故💎にのみ其れが多ひのかと云ふことに尽きて居らう。

要するに最も高額になる石だからこそ最も強ひ欲望の対象となり得、其処に色んな呪ひやら殺しやらそんな魔の領域が必然として付ひて回るのだ。


ただしルビーやサファイア、其れにエメラルドなどの中にはダイヤモンド以上の値が付き取引されるものもまたある。

石とはまさにピンからキリまでのものなので、其処で誰しも最上級の石を欲して仕舞ふものなのだが其れも所詮は心のあり方を示す欲望の指標のやうなものなのだと思っておくべきなのだ。

即ち石自体を愛好すると云ふことは金額でもなくまたカットの輝きでもなひのだ。

石がほんたうに好きなのであれば自分の家の庭でもほじくり返して採集してみればよろしく、其れで何か出て来やうものならばまさしく其こそが宝の石ぞ。


わたくしは実際に其れをやったし、のみならず職場の構内でも宝石級のメノウを拾ひ実は其れが一番良ひ採集品となって居たりもする。

なのでもう全然金額などではなくしかも世間の宝石の価値尺度には次第に従わぬ、いや従へなくなりつつあるのがこのところでのわたくしの石趣味なのだ。


とは言へ金さへ出せば確かに幾らでも綺麗な石は手に入らう。

だが其れではキリがなひ。

其処でわたくしは自ら限定して石の美を愉しむこととしたのだ。


確かに知り合いの宝石屋は決まってそんな庭から出たメノウなんぞまた近所の山で拾って来た石英なんぞまるで興味は無ひと仰らうがわたくしは其処で負けてなど居らぬ。

馬鹿者!真のお宝は庭から出た此のタダの石だ。

世間の者共はカネに目が眩み真の石の美を見失って居るのだ!

第一おまへが売ってる石など実に胡散臭ひ。

カネをかけない石の方がじつはずっと石らしひではないか。


ちなみにつひ二カ月ほど前に他の区の住宅地の道ー公道ーに埋まって居る石英をほじくり出し採集して来たこともありしがコレがまた存外に面白くまた良ひ石が採れたものだった。


が、つひ最近東京の出品者様より落としたエチオピアのノーブルオパール標本は全く最高の美しさで久し振りに興奮をしたのであったがコレさへもが何と全部で五千円以下であった。

だからわたくしの鉱物趣味は次第次第にまさに限定される段階へと突入して来ておる。

一言で言へば金の価値じゃなくしかも美しさばかりでもなひ石の石としての実存性を重視した石趣味の段階なのだが其れでもつひ魔が差して五万円程散財して仕舞わぬとも限らん。


ダイヤモンドなどの宝石は、国際市場で高値で取引される。産出国にとっては貴重な外貨獲得資源となるが、その産出国が内戦など紛争地域だと、その国は輸出したダイヤモンドなど宝石類で得た外貨を武器の購入に充てるため、内戦が長期化および深刻化することになる。とくに反政府組織はこれら鉱物資源による外貨獲得とそれによる武器購入を広く行っている。その際には罪のない人々を採掘に苦役させることから人道上も大きな問題がある。 紛争ダイヤモンドより

冷戦終結後に、特に東側からの武器供与が打ち切られたために、反政府組織は武器商人から武器を買わなければならなくなった。そこで、ダイヤなどの宝石産出国の反政府組織は武器の代金を確保するために、宝石鉱山を占領・制圧して宝石を採掘して売るようになった。なお、武器は対立する組織双方に売られており、これがさらなる紛争の激化、生活レベルの低下をもたらしている。この生活レベルの低下は、鉱山労働者の賃金をさらに下げ、宝石価格の低下につながっている。このように、欧米諸国は武器の販売及び廉価な宝石の購入の双方で莫大な利益を上げてきた。」紛争ダイヤモンドより


ただしダイヤモンドに限らずエメラルドなどもまたコロンビアやパキスタンで紛争の資金源になって居りつまるところまさに裏の方の事情が付ひて回ったりもして居る訳だ。

かように社会的な欲得の絡むところに純粋な鉱物趣味は成立し難ひのでなるべく其れとは離れた美としての規定の世界で其れを行ひたいと云ふことに尽きて居らう。

無論のこと本質的には物質欲または美に耽溺する欲は立派な煩悩の一種である。

なのだけれども、わたくしの場合は他の生々しひ欲望を全てひっくるめて此処に投げ込んで居る訳なのさ。

何とか其処でもって欲望の増長を食ひ止めやうとして居るのだ。


ブラッド・ダイヤモンドと云ふ映画は泣ける作品でもまたある。

白人が欲に目が眩み現地人を搾取し重労働の鉱山労働でこき使ひ其処でたとへデカい💎が出たにせよ其れは横取りされ欧米のダイヤモンド・シンジケートで売り捌かれるのだ。

だが此の作品はそんなキリスト教圏の國のし出かす精神的暴虐に待ったをかけた作品なのでもある。

其れは欧米人の良心を示した部分でもまたある。

欧米人の良心即ちキリスト教の本来の教へ、其の道義への良心と博愛とを示した作品なのでもまたある。


ディカプリオが演じた💎ブローカーであるダニー・アーチャーは元より欲に目が眩んで居る男であった。
矢張りと云ふべきか彼は黒人の鉱夫が得た巨大なピンク💎を横取りし大儲けしやうとして居たのだった。
然し銃撃され自らの死期を悟りし彼は其の大きなピンク💎を惜しげも無く黒人の親子に与へて仕舞ふ。

勿論もはや生きられないからこそさうしたのであらうが、ともあれ結果的に其の親子への愛を示し彼は死ぬ。
さうして愛を与へることこそが自らをも助くると言ひ得るのではなからうか。



此処にもあるやうにかって紛争ダイヤはあくまで正規の流通ルートにのり、私たち先進国の消費者の手に渡って居たのだ。

其れでもって此処日本国では結婚指輪として皆様の花嫁の指に輝ひて居たりして居た訳だ。
其れも給料の三ヵ月分もの金が支払われさうされて居たのだった。

だとすると何やらマズいのではないか?
いや、知らなければ何もマズいことなどなひのでありませうが。
要するに知らぬが佛で。

かように此の世の中には矛盾が多過ぎるので+の方向へ切り込めば切り込む程に其の矛盾の片棒を担がされて仕舞ふことと相場は決まっておる。

だから社会とは精神的に距離を置きしかもなるべく固有の価値観にて欲望を解体、再構築ー脱構築ーし最小化ー限定ーすることが大事で其処で余り常識ばかりに捉われてはならぬ。

と云ふのがわたくしの意見であり其こそがまた自らの目指すところでもある。

また社会的な矛盾を何とかして解消しやうとすること程労力を伴ひ精神的にも疲れることは他に無ひ。

第一個に於ける問題の解決もままならぬままに社会の問題を解決に導くことが出来やう筈もなひ。

ではあるのだが、其処であくまで良心を示すことは出来る。

其の良心とは宗教や道義心に基づきさう規定されるものであること以前に汎く示されて居るものなのではないか。

さうまさに宗教以前の段階でもって、

1.人は他の土地の資源を掠め取ってはならず、
2.他の土地の人を搾取してはならず、
3.其の資源または搾取により大きな利益を上げ贅沢を追求してはならず、
4.他は常に自己と相克しかつ相即するが故に他を尊重し、
5.其のやうな社会の生む矛盾には敢然として立ち向かふ、


と云ふことではないかと思ふ。
欧米の人々はこれまで多くの宝石資源を印度やら東南亜細亜より掠め取り其れを王冠などに取り付けたりして居たのであったが、結局資源とは其の土地固有のもので本来ならば其処での自然が保有するばかりでのものだ。

人間は自然を保有することなど出来ずましてや地域性や民族性を反故にして観念的な価値観で自然を規定していくことなど出来やしなひ。

だから本来💎はアフリカの土地のものだ。

エメラルドやルビーもまたコロンビアや亜細亜のものなのである。


尚、映画ではまさに川を浚ふ形でダイヤモンドが採られて居たがダイヤモンドは此処日本国では採れなひ。

日本の川浚ひで採れるのは金である。ーまさに黄金の國ジパングとしてかー

其れも単体の金としてほんたうに山の方の川の砂の中から採れる。

が、これまでにわたくしはコレをした経験が無ひ。

死ぬるまでにどうしてもしてみたいのが此の金の採集なのだ。


参考資料