人類にとり未来があるのかそれともないのかと云う問いに関しては、其れを理性的に判断する限りはあくまでない、とさう判断せざるを得ない。
感情的にどうのこうのではなく、また物理的にもどうのこうのではなくもはや未来は無いのである。
未来が暗いのではなくそも未来は無い。
勿論このまま進めばと云う前提に立つ限りに於いては。
また其れは悲観的な見方なのではない。
事実としてつまりは決定論としてさう規定されて居るのだと見ておくべきだ。
人間とは何かと云う古くてしかも新しひ問ひを人文科学的に突き詰めて見た場合に其のやうな結末に至らざるを得ない。
理性から判断されるべき材質の上では其のやうに脆くしかも短期間で滅ぶに至ることだらう非限定性を其れが有して居ると云う事だ。
非限定性=爆弾なのであり、其の欲望に基づき追及される爆発物の加工は実際何処までも念入りにさうして瞬時に行われる。
何故なら其処では時間が質的に異なるからだ。
近代以前の時間のあり方と今の時間のあり方はもうまるで別物なのだ。
問題は其の挙句に何が起きつつありどう我我は滅ぶのかと云うことのみ。
果たして温暖化がヤバいのかそれとも人間の破壊の方がよりヤバいのかと云う問題からすれば人間の自己破壊の方がより怖ひことだらう。
自己破壊つまりは矛盾的破壊の本質にはあくまで矛盾としての現在の人間が横たわる。
ユヴァル・ノア・ハラリ氏の警告を引き合いにするまでもなく以前から人間は最も危険で救い難き存在なのだ。
現在我我が陥って居る世界とは虚構の上塗りの世界だと言って良いことだらう。
其の諸価値が虚構の為の虚構としての価値に変換されて仕舞って居るのだ。
ゆえに現代社会の価値は生物としての人間としての素朴な価値とは大きく乖離して仕舞って居る。
其れは人間が自然として保ち歩んで来た価値との決別であり対決でさへある。
人間はさうして何処へ行くかと云えばやがて虚構の神を築き上げる他なくなることだらう。
けだし虚構の価値の上に築く神としての価値なのだからあくまで其れはニセモノの神とならう。
そんなニセモノの神としての今後を人類は歩み続けていくしかなくなるということだ。
其のニセモノの神の生成過程に於いて人間の精神の破壊は加速して行われ次第に人間らしい心を失った人間=合理主義人間の方が主流派となっていく。
つまりは次第に心が人間ではないものになっていきAIのやうな監視システムの奴隷となり果てて仕舞ふ。
だが事故や逸脱行為は其処でむしろ減る可能性が高い。
また遺伝子改変の技術の確立により優生學的に肉体的なハンディキャップが取り除かれていくことだらう。
さらに寿命はさらに延びる。
然し生身の人間にとっての幸せとは程遠い不安定な社会が形作られていくことであらう。
ところが科学技術文明にとっては其れはあくまで「より良い」社会でありより「望ましい」世界なのである。
しかしながら元より其れは誤りである。
何が誤りかと言えばまず思想が根本的におかしひ。
其の思想の誤りを指摘する為にわたくしは此処で立ち上がったのだった。
思想の誤りを指摘する為には宗教の意義を問い直すことこそが手っ取り早いので宗教のことに就いてもずっと述べ続けて来たのだった。
現状で、虚構の価値が虚構を無限に増殖させる回廊のさ中に科学技術文明は取り込まれて居る。
其の虚構の価値が無限大にまで肥大化するとシンギュラリティ技術的特異点を迎え生身の人間は崩壊することとなる。
重要なことは生身の人間の心または感覚と虚構としての価値への欲望とは質的に異なるものだと云うことなのだ。
生きて居る限り我我は生身の生物としての欲望を持つが自然の範囲に限り其の欲望は危険なものでも何でもない。
何故なら自然自身がさうして實としての欲望をぶつけあい何億年も続いて来たからだ。
ところがさういうので本質的に破壊が引き起こされる訳ではない。
自然とはさうした實のバランスの取れたもののことを云う。
しかしながら人間の欲望には限りがなくしかも常に地獄へと真っ逆さまに堕ちる瀬戸際に立たされておる。
おそらく其のことは詩人にしか分からぬことだ。
さういう危ない人間としての能力のことを何故かわたくしは幼い頃より知って居た。
だから詩人なのだ、ほんたうに詩人なんだぞ!
何処にもこんなご意見は売っていやしないぞ。
まあいい、ここらで癇癪を止めておかないと人類を救ふことが出来なくなる。
其の技術により齎される本質的破壊はハッキリ言ってそこらのSF小説よりも凄まじくて怖ひ。
やがて人間は神人間と無能人間とに類別され神人間は要するに合理主義の奴隷と化し其処であらゆる人体実験が行われ羽根の生えた人間だの巨人だの殺しても死なぬ人間だの両性具有の化け物人間だのが創られ其ればかりか無能人間は工場で切り刻まれ神人間の食料となる可能性すら出て来た!
ただし安心し給へ。
其の神人間でさへ不死にはなれぬ。
人間は限定としての現象なので不死になる前に心理的に崩壊して終わりとなる。
いや、其の前に温暖化で滅びる。
コレはどういうことかと云うと、虚としての文明の営為に実の自然としての罰が下されると云うことである。
つまり虚としての無限の価値に拘泥して生きつつある我我の社会的自我に対して温度だの資源ー食料ーだのと云う物理的な制約ー限定ーが鉄槌を加へるのだ。
即ち元々無いのに有るとさう我我の心が規定したからこそこんな文明になって仕舞って居るが実は物理的にはあくまで無かった、即ち全てが有限性の中でのお話しであった。
だから其の有限性のみ。
此の大事な有限性につき何で人間は気付くことが出来ぬのだ。
そも皆有限なのでバランスが取れ逆に豊かなものになって御座る。
なのに何故あへて其れを突き破ろうとするのか。
其れは人間がバカで自滅する為の理性しか持ち合わせて居ないと云うことを何より示して居らう。
其のバカがウソの神になって一体どうする御積もりなのか?
バカつまり信仰の大事さに気付けぬ者共。
バカが幾ら連なって虚の価値を築こうとも真理の側としては屁でもないわ。
だから其れは自滅だ、まさしく自滅へ至る自傷行為なのだ。
いやー、面白ひねえ。
まことに面白ひ。
人類の未来はまことに多難だ。
ちなみにもし科学技術が無かったのだとしてもゆっくりと人類は滅亡へと歩んで参ります。
此の世界はさういう世界だと云う事なのです。
でもおそらく其の場合はあと五千年程は大丈夫だったことでせう。
だが虚に虚を重ねた価値の今に残された時間はあと五十年程のことでせう。
宗教の意義とはまさしくさうした破壊を食い止める為のものでした。
でも皆が神社やお寺へ行き現世利益ばかりを願って居りますがズバリ言って其れは誤りです。
正しくは宗教とは解脱かまたは昇天の為の教へです。
さらに言えば文明と対決する為の心のあり方を模索する為のものです。
ですのでこれからは神社やお寺へ行き人類の滅亡をまずお願ひしておくべきです。
さうだなるべく早う滅びて他の生命に主導権を明け渡すのです。
さすれば地球と宇宙は安泰です。
こんな醜ひ人類の為にもう破壊されずに済むのです。
と云う訳ですでに人類の未来は閉ざされり!
とのお話をさせて頂きました。
今後果たしてどんな風に人間は変わっていくのでせうか?
まず考へられるのは技術と融合した人間の誕生です。
さらに遺伝子操作による改変された人間の誕生です。
尚コレラの改変は本来ならば悪ひことではない。
丁度人権思想や医学的改変が近代以降の人間を支へて来て居るが如くに。
然し其の一方で科学により大量破壊兵器や環境破壊さへもが齎されて来た。
此のやうにまさに科学技術は諸刃の剣です。
今後其の科学技術が人間そのものへと向けられて行きます。
宗教は其処での心理的合理化により滅ぶ可能性もまた高くある。
つまるところ神人間にとり神はむしろ邪魔者となる可能性が高ひ。
或いは性のあり方や學問は今とは大きく隔たった捉へ方のものとなることでせう。
兎に角何処までもさうして合理化されていく。
おそらくは合理的に死を選択することさへも許されていくことでせう。
ですが、果たしてそんなので良いのでせうか?
其はわたくしに限り違ふとさう思われてならない。
いや大間違ひだ。
誤りだ、誤りだ、誤りだ。
何故誤るのかと云えばそもホモ・サピエンスがバカだからです。
はあ?ホモ・デウス、要するに神人間と云う事なのでせう。
ですが、人間の本質とは宗教にこそある。
ところで君は宗教をやって居るか?
信仰を貫かずして此の世に光はやって来なひ。
兎に角神仏だけが大事だ。
そんな女房や子供のことばかりを考へているでない。
未来の文明が配るアンドロイド妻だのクローン息子だのそんなものは死んでも要らぬわ!
そんなものとは関係が無いと今感じた君、君に是非一言を。
君は道を歩く時や地下鉄の中でスマフォをやって居るだらう、其のスマフォを。
ズバリ其れが未来のアンドロイド妻でありクローン息子のことだ。
何も分からず文明批判も出来ぬ癖にそんなに威張って居るな民主的な大衆共よ。
さて彼は至極潔癖のやうで常に瞑想をして居るそうだ。
新しい、より便利なものに価値を置く技術革新は必然的に大きな破壊をも齎す。
近代と云う革新思想自体が行き詰まり壊れかけて居ると云うのにかうして人間そのものに対する革新が行われやうとして居る。
何故其処で歯止めが効かぬのか、何故人間はここまで強欲で分限を弁えぬ横着者なのか。
結局其れは「精神」の意味を知らないからなのではないか。
ですので皆様は神社やお寺へ行きまずは人類の滅亡をまずお願ひしておくべきです。
けれど其れはとても出来なひ、と云う方が多いことでせうから其の場合には人類の存続のみをお願ひしておきませう。
然し其の場合に最も大事なのは信仰への強い思ひのみです。
尤も其れは各宗派を信仰するのではない。
人間の罪深さや愚かさ、そして悪魔性に対して心より祈り頭を下げて来るのです。
まさしくさうした意味に於いてのみ今宗教は存立して居ります。
嗚呼神様仏様、御免なさい、ココまで我我は罪深くさうして欲深でした。
いっそのこともう滅ぼして下され。
いっそのこと神の怒りにより皆滅んじまへ。
もう人間なんか何処までも嫌ひだ!
…でも勿論良ひのである。