このほど哲學者の梅原 猛先生がお亡くなりになられたとのことで心よりお悔やみ申し上げます。梅原猛
わたくしは40代の頃先生の思想に傾倒して居りまして、其れでもって先生がこちらの方へ帰られた折に行われる講演会にも二度程参加して参りました。
元より先生は西洋哲學には批判的でかつ限界を感じて居られむしろこれからの時代には新しく東洋の視点を持たせた思想の形成こそが必要だと思われて居たようです。
十年程前だったか、講演会で最期に拝見した先生のお姿がまだ目に焼き付いて居ります。
西洋近代哲学批判をなされていましたが其の内容はもはやうろ覚えとなって仕舞った。
またこちらの新聞に「思うままに」と云う思想的なエッセイを連載されており其れを屡読み過去の記事は図書館にて読んだりして居りました。
思想に限れば当時はまだコレと云う自分の思想の骨格が出来て居らずただただ梅原先生のやうな東洋の思想を重視する部分が如何にも目新しくそして魅力的に感じられて居た。
ところが還暦に至り今は自分の思想がいつの間にやら形成されて仕舞った、時の流れの中での様々な思考の格闘がそのままわたくしの思想へと形を成していったのだった。
だから梅原学への当時の印象、評価と今の印象、評価とではかなりに開きが生じて来て居る。
其れでもずっと先生ご自身と先生の思想が共に好きだったのです。
だから亡くなられたと云う事実に対してはもうタダタダ悲しいと云う想いしか御座いません。
ですが、先生は長生きをされ天寿を全うされたのですからむしろ其処にはどんな問題もないのだと言える。
ちなみに先生がこちらで出られた旧制東海中学校ー現東海高等学校ーは例の林 修氏の母校でもある。
まあ特別に利口な学校で勿論わたくしなどはカスリもしなかった憧れの高校だ。
尚先生の思想の内容に就いてはまた後日に述べていきたいと今は思います。