目覚めよ!

文明批判と心の探求と

グローバル化されし全体主義の時代



また2002年の『超戦争論』においては、先のことは分からないとしながらも、「21世紀の半ばくらいには、(・・・)「資本主義はこの先どうするんだ?」という(・・・)課題が、より本格的な形ででてくる」「世界の資本主義の全体的な行き詰まり、全体的な地盤沈下ということが予測される」「世界の資本主義が全体的に地盤沈下するという、その一番の兆候は何かっていえば、それこそ、G7に集う各先進資本主義国が同時多発的に不況に陥ったときである」「近代主義経済学とは違った等価交換のあり方を21世紀には模索しなければいけない」と述べている[62]
Wikipedia-吉本隆明より抜粋して引用


資本主義は多分二十一世紀の半ばまでもたないことだろう。其れは何故かと言うと資本主義自体に内在された自己矛盾性が拡大されて否応なく噴出して来るからである。


ただし資本主義が人間の生活を豊かにし様々な意味で我々庶民に夢を見させて呉れたこともまた確かなことなのである。

資本主義というシステムは、元々矛盾の多い不完全な思想であるものだが、其の不完全さを暫し忘れることで人類にとっての短い時間のみを唯物論的に幸せに生きようとした試みだったのだろう。


そりゃ物が少ない状態であるよりも物が有り余る程にあった方が其処で色々と選択出来るのだし無論のこと其れは食べ物や飲み物にしたって全くそうなのだ。

然しそうした意味での豊かさが精神の豊かさに繋がるとは言い切れない。


逆に物が少ない方が精神の方が磨かれるという側面はどうしてもあることだろう。

またたらふく食べられるから幸せかと云うと其れもどうもそうではない。


ところが戦前生まれの世代の方々は兎に角まず腹一杯に食えることが大事でまず其処に大きな価値を置いて居られるようだ。

そして何より戦争をやらないことが其れと同じ位に大きな価値として認識されて居るようだ。


其れは実際に食うや食わずの生活と爆弾の落ちて来る戦争の悲惨さを体験して居るからなのであろう。


然し我々戦後世代にはどうもそうした部分がピンと来ない。

何故なら我々はまさに飽食しつつ生きて来たのだったし、それにずっと平和な時代を生き抜いて来たのであるから戦争に対する実感などは無い。


尚私の場合世代によって苦しみの多寡があろう筈だなどとは実はまるで考えて居ない。


何故なら我々の世代は我々の世代で戦争を経験した世代とは別の苦しみを背負わされて来て居る。

我々は確かに腹一杯食べようと思えば食べられたのではあったが、実際にそうして腹一杯食べ過ぎて来て仕舞った人は今大病に苦しんで居るだろう可能性も高い。


また我々は幼い頃から変なものー所謂インスタント食品の類ーを一杯食べて来て居るから本質的には体がボロボロで七十代、八十代よりも体が弱 い位だ。

また生まれた場所によっては汚染された変な空気などを吸わされて来て居り、おまけに戦前にはなかった複雑なストレスにも晒されて来て居るからこ んな豊かな時代に早死にする奴なども結構居る程だ。


我々の後の世代はもっと変性し複雑化した悩みー社会的な意味でのーを抱えて居りだからこそ決して生活するのは楽ではない。


そうかと言って封建時代や縄文時代に遡っても人間の生活は決して楽ではない。

あくまでそういうものだと云うことなのである。


未来永劫、人間存在の生活は楽ではない。

また他の惑星の惑星人の生活も皆楽ではない。
そういうのが知性を発達させて来た生物の自己矛盾性そのもののことである。

即ち知性力により楽に暮らせるようにならなければならない筈なのに何故かそうはならずむしろ苦であることの方が多い。


近代主義経済学とは、例の、周辺を収奪して中心だけが肥え太るという一方通行的な利潤追求の流れのことを云うのだろう。

資本主義の最大の矛盾が其の一方通行性こそにある。


基本的に偏った形で富というものを生み出して来て居る為、其の収奪のバランスが崩れると収拾がつかなくなり易い。


だから今後資本主義が全体的に地盤沈下することは大いにあり得ることだ。
事実今資本主義は全体的に地盤沈下しつつあるのだろう。


今後何が起こるかと言えばおそらくは利潤というもの自体がもう何処からも生み出されなくなり資本主義の掲げる所謂経済成長は全面的にストップしむしろマイナス成長していかざるを得なくなることだろう。

即ち其処で資本主義は終焉を迎えざるを得なくなる。


そして現実的には今後頻繁化していくことだろう異常気象と連動する形で資本主義という近代に於ける豊かさの神話にピリオドが打たれるだろう筈である。

近代主義経済学とは違った等価交換のあり方」とはたとえばかってのように発展途上国の資源を先進国が安く輸入して其れでもって利潤を生む製品に作り変えるということが不可能になる時代が到来する為そうならざるを得ないということを云われているのだろう。


すると、これからはむしろ近代的な製品よりも原料である資源の方が高くついて仕舞うといった事態も考えられぬ訳ではない。

何にせよ、これからは人間の知性がつくりだせない自然的な資源の価値が最も評価されるということにもなりかねない。


其の傾向が進めば将来はきれいな水であるとか、或はきれいな空気であるとか、そうした昔はタダで手に入ったものが世界最高の高値でもって取引されるようにならないとも限らない。

要するに、時代が移り変わると実質的な価値もまた移り変わっていくということだ。




また2002年には、「僕なんかの戦中派は、閉じた思考がいかにダメかってことを太平洋戦争で身をもって知りました」「太平洋戦争中、僕は天皇軍国主義にいかれていてそのときはあの戦争を肯定していました。そのときは、自分も、「戦争をやれっ、やれっ」っていっていたんです。 でも、それは、自分がまさに閉じた考え方をしていたからだってことに、戦後、僕は気づきました。(・・・)その経験がありますから、僕は、自分の考え方をなるべく閉じないで、「開く」というふうにしたい。21世紀の大きな課題は、国民国家、民族国家が、内に対しても、外に対しても、いかに「開いていく」かそして、いかにして戦争をおこさないようにしていくか」だ、と述べている[73]
Wikipedia- 吉本隆明より抜粋して引用


世界的に戦争は、逆に今非常に起きにくい状態にあるだろうと私は見て居ます。
何故なら今世界が推進して居ることだろう近代全体主義の国家間での利害対立は今近代の果実を得て居ることの幸せを壊してまで得ようとする説得力に欠けて居るからなのである。


つまり我々先進国のこの豊かな生活はすでに過剰なものへと突入して来て居り其れ以上を求めようとする渇望の力にそも欠けて仕舞って居るからなのである。


すると新興国同志での争いや或は日本と其の周辺の国家に於ける親類同士での争い、そうした骨肉の争いのようなものが起きないとは限らないのですが其の種のものも結局は限定的な争いに終始することだろう。



21世紀の人類にとってもっと深刻な問題とは、其処にもっともっと人間にとっての根源的かつ本質的な問題を突き付けられて来るだろう可能性が高い。


其れは異常気象や気候変動による農産物の収量の大幅な低下で人類の何割かが飢えるようになるといった極めて深刻な問題である。

そして其れにも関わらず人間の数ばかりは無制限に増え続けていく。


いつの間にか人間という存在が良いものとされて来て仕舞い、もはやとめどなく増えていくしか我々に能がないからなのである。

本当は良いものどころかばい菌のようなものなのだろうが、今は其れを絶対に言えない世の中になりつつあるのだ。


つまりはこれも一種の全体主義なのである。


21世紀とはこのように全体主義の時代である。


グローバル化されし全体主義の時代なのである。


全体主義という思想は結構滅びる時が華々しくて、まるでかの独逸第三帝国の如しにパッと終わって仕舞う筈ではあろうがでも今度の奴は世界中がやって居る全体主義なので矢張りそう簡単には滅亡したりしないのだろうな、ゆえに結構長引いて苦しむのだぞよ、きっと。



尚、言論の自由、思想の自由は勿論大事ですが21世紀の人類にとっての思想や自由は20世紀に於けるか如きに何でもあり、ということにはなり得ないのではなかろうかと逆に私は見て居る。

即ち21世紀という時代は一言で云うと不自由の世紀である。


否応なく様々な外的圧迫に人権も健康も平和でさえも圧迫されて来ることだろう時代なのである。

たとえば気候変動による食糧事情の悪化が生ずれば人権も健康も何もなくなりそれこそ戦争が引き起こされ滅ぼした分の食いものを自国の食いものとして確保するようなことが起こり得ない訳でもない。


つまり人類はより非文化的で非人道的なまさに餓鬼道、畜生道、地獄の絵巻のさ中へと入っていくこととなろう。

そして其処で最終的には水と食料と女の収奪戦となり、まさに前近代的な、実に野蛮な、其の様にグチャグチャでゴチャゴチャな本能領域での原始人の争いのようなものを経験せざるを得ないことだろう。


即ち其処では力の強い者が勝つ。

インテリの左翼は考えは正しいが力が弱いので負け間違って居るがタカ派の人がF-35戦闘機でどこかの国に舞い降り水と食料と女を調達して来ることだろう。


其の三つだけで当面の間人類は生きることなる。

無論のこともはや電脳空間などはどこにも無い。
在るのはただ本能力のみに支えられし武の力のみじゃ。

すると其処ではもはや詩人は不要となり早晩切り刻まれて武人のおつまみか何かに調理されて仕舞う。


そんな世の中にしない為にもインテリの連中は今を真面目に考え抜いておく必要がある。


1.資本主義は今後長きに亘ってはもたない。
2.戦争の心配をする以上に気候変動の心配をしておくべき。
3.一般的にインテリが多い左翼は腕力に欠けるので是非武道でもして腕力を鍛えておくべき。
4.其れに加えて近代全体主義に負けないだけの個の思想力、理論構築力を是非鍛えておくべき。


其れではわたくしは明日から山へ行って参ります。

もはやこんな下らないことを考える必要もないので何だかとても嬉しいな。