目覚めよ!

文明批判と心の探求と

目覚めよ!-11

 
 
最新の研究によると、温暖化の影響により南極大陸の氷が融け続けて来ているそうである。

南極の年平均気温は確か北極よりも低く、すなわちこの地球上で最も気温の低い場所が南極大陸だったのである。

そこの氷が融けて仕舞うのだとすると、これはもう地球にとっての危機的な状況に陥っているのだと考えざるを得ない。


そしてその温暖化の原因とは自然な気候変動のサイクルから来ているものではなく人為的な仕業であることがすでに分かって来ている。

産業革命以後のおよそ300年の間に人類はより豊かな生活を得るために大欲望の方を解放して来て仕舞った。


そのことの為に生命の母であるかけがえのないひとつの星が苦しみ傷つくということは考えてもみなかったのだ。

大欲望の為に、その極めて利己的な欲望の成就の為に、我々はいままさにこの母殺しを行おうとしている。


にも関わらず、我々庶民はそのことに気付かされて居ない。


いや、そんなことはとっくの昔にみんな知ってるよ。

そんなの常識でしょ?


だから、知ってることと分かっていることとはまるで違うのである。

むしろその知ることによる明晰さ、つまるところは其の知性力こそが真相を見破る力を萎えさせて仕舞うのである。

無論のこと東洋の知恵はそうしたカラクリについてもすでに大昔から喝破して来ている。


すなわち現代人は自然を加工するに足る知識つまりは理性力だけが異常に拡張された一種の畸形生物なのである。

近代的な自我意識にかまけて、大欲望を解放するからこそそういうことになる。

しかし本来ならば人間の欲望は小さいもので充分なのだ。

皆が目指していることだろう幸福についても、そんなものは大きな幸福なんて元々ありはしない。

幸福は小さいものであるからこそ幸福であり得るんだ。


さて、最近日本の調査隊が南極に入って大陸の氷の変動の様子を詳細に調査しているそうだ。

その結果南極大陸の氷の融け方が危機的状況にあることが明白にされつつある。


最新の発表では、現在南極大陸の氷の60%が融け易い不安定な状態にあることが分かり、そのことにより近い将来に世界各地で大幅な海水面の上昇が引き起こされるであろうことが予測されている。

また2100年頃には平均で3度上昇するだろうと見られている地球の平均気温から鑑みた場合に、おそらくはその折に9mほど海水面が上昇するであろうことが予測されている。

さらにそのような気温になれば必然的に氷の融ける現象は加速的に行われるだろうことも分かって来て居る。


要するにその時点で万事休すだ。

そこで多分文明は壊滅する。


だからもう現代文明が終わることは分かって居るのである。

分かっていても、どうにもならないのである。


もはややれることをやっていくしかないのである。

我々はそれを食い止めることは出来ないのだ。


いや、実際ハルマゲドンどころの騒ぎではない。

ハルマゲドンは多分人類の思想的なあるいは宗教的な努力によって回避することが出来るのかもしれない。


だがコチラの方はどうにもならないのである。


「たとえ世界の終末が明日であっても、自分は今日リンゴの木を植える」
-ゲオルギウ『第二のチャンス』の中でマルティン・ルターの台詞として作中に出てくる言葉-

かってあの開高 健が色紙に書き、あるいは多くの作家が引用したりもし、また昨今はネット上にも溢れている言葉ながら我々に残された唯一出来ることとはまさしくそういうことなのである。              
2013/02/21


ー筆者による加筆ー

地球温暖化の問題に関しては私自身が其れを人類ー文明ーにとって最も大きな問題と捉えて居ることもあり此のエッセイ集でも様々な角度から切り込んで何度も論じて来て居ります。
ー勿論此の後も此処で何度も論じられていく問題です。ー

尚此の問題に関しては自然科学の側からすでに将来に於ける正確な予測が発表されて来て居るにも関わらず今現在対策がほとんど行われて来て居ないというところが実情です。

そして私はこの問題をむしろ人間ー大衆ーの心理の側の方にこそ大きな問題があるのではなかろうかと其のように論点を捉え直して来て居るところです。


つまり地球を温暖化させるに至らせた近代以降の文明ー科学技術ーのあり方は無論のこと其れが一番罪深いものではありましたが、でも其処にすべての責を負わせ知らん顔をして現代の生活を享受して来て居る我々とは一体どんな生き物だというのでしょうか。

私は其の現代人の心理の上での不感症ー諸の文明の病への不感症ーのことに今最も興味があり、かつ現代人の此の心理上の横着振り、節操のなさ、其の美しくはない心のあり方ー心の汚れーといったことに最も危惧を抱くようになって来て居ります。

文明が外的ないしは物質的に滅びるのが必然のことであるのならば其の傾向自体にはむしろ大きな問題があるという訳ではない。

其の事よりも何よりも人間の心の根の方が腐って来て居るという事実こそが最も大きな問題として捉えられなければならない筈である。

さて、どうしてこんなんなってしまったのでしょうね?其れはひとつの怪現象、まさしく人類にとっての怪談のようなものなのでしょうな。                                                2014/05/02